古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

Leica M9

今週のお題「好きな街:斑鳩」

今週のお題は「好きな街」である。最近ずっと写真を撮り続けている「斑鳩」がそのお題にあてはまると思う。斑鳩には法隆寺・法輪寺・法起寺という「斑鳩三塔」とよばれる三重塔や五重塔を持つ三つの飛鳥時代からの寺院が存在する。いずれも距離的には離れて…

東大寺戒壇院にて

東大寺戒壇院をライカのエルマー35ミリレンズで撮影したシリーズ。美しい石畳の廊下と木扉の木の質感の対比が良い。撮影機材は、LeicaM9+Leitz Elmar 35mm f/3.5である。

東大寺戒壇院の礎石と木柱

東大寺戒壇院の礎石。独特の意匠に形作られている。礎石の上に載せられている木柱は真四角に加工されていて全体のバランスが良い。撮影機材は、LeicaM9+Leitz Elmar 35mm f/3.5である。

曇り空と東大寺戒壇院

四天王像で有名な東大寺戒壇院にて撮影した写真。この時は曇り空はモノクロームに合う雰囲気であった。撮影機材は、LeicaM9+Leitz Elmar 35mm f/3.5である。

東大寺戒壇院へ向かう石階段にて

東大寺戒壇院へ向かう石階段の一つ。少し暗いシチュエーションであったが、エルマー35ミリレンズの黒の粘りが素晴らしい。階調の豊かなレンズだと感じる。撮影機材は、LeicaM9+Leitz Elmar 35mm f/3.5である。

入江泰吉級旧居近くに現れた子鹿たち

これは子鹿だったと記憶している。入江泰吉旧居は東大寺戒壇院の近くにある。戒壇院付近には、多くの鹿が芝の上で寛いでいることが多い。その一部の鹿が写真のように民家に現れることがある。二頭の子鹿たちは、まだ人間慣れしていないのか、カメラ目線でこ…

入江泰吉旧居にて

この写真は、以前に入江泰吉旧居にて撮影したもので500pxにアップしている。実際に訪れると、奈良の写真家入江泰吉さんが過ごされた書斎などがそのまま残されており、どういった書物を読まれていたのかなど、奈良が好きな僕にとっては、大変参考になる。古代…

不運なレンズ、エルマリートC40mm

写真は、ライカM9にエルマリートC40㎜ F2.8を付けたものである。このレンズは製造経緯を辿ると実に不運なレンズで、当初から評価が低く、その後に実用化されたズミクロンC40mm F2にその地位を奪われてしまった。個人的には実際にこのレンズで撮影してみて、…

法隆寺回廊と窓の外の桜

写真は法隆寺中門に続く回廊から見た外の桜である。仄暗い回廊に連子窓を通して外からの日射しが差し込んでいる。背景の桜のボケ味もその光にアクセントを与えている。撮影機材は、ライカM9+Elmarit-C 40mm f/2.8である。 法隆寺回廊と外の桜

法隆寺五重塔の基壇と中門

法隆寺西院伽藍の五重塔の二重基壇を写しつつ、背景には法隆寺中門を入れてみた。基壇の文様はその側面により表情が違っていて興味深い被写体である。撮影機材は、ライカM9+Elmarit-C 40mm f/2.8である。このレンズのボケ味もなかなか良いのではと思ってい…

枯れ木の力強さ

奈良の写真家といえば故入江泰吉さんが著名である。4月3日(土)から入江泰吉記念奈良市写真美術館にて『聖徳太子1400年御遠忌記念 入江泰吉「法隆寺」展』が始まるので、僕自身大変楽しみにしている。入江泰吉さんが生前仰っていた言葉に「滅びの美」という…

法隆寺西円堂にて

法隆寺西円堂は西院境内北西の小高い丘の上に位置し、実際登ってみると大変見晴らしのいいところである。法隆寺の境内にあっては目立たない場所にある。建造物は夢殿と同じく八角円堂である。「峰の薬師」とよばれ、奈良時代の薬師如来坐像を本尊としている…

法隆寺三経院の木扉

法隆寺三経院は、西院伽藍の西隣に位置する。三経院は鎌倉時代の建立で切妻造の建造物である。桁行(長辺方向の幅)が十九間、梁行正面(短辺方向の幅)が五間となっている。南側七間分を「三経院(さんぎょういん)」と呼んでいる(北側部分は西室という)…

法隆寺三経院の手摺り部分

法隆寺の境内は大変広く、塔頭の数も多く、著名な西院伽藍のほか、夢殿のある東院伽藍など一日中ここにいても飽きないくらいに見どころの多い寺院である。写真は、西院伽藍の西隣に位置する「三経院」と呼ばれる建造物である。奥は「西室」と呼ばれ、つなが…

法隆寺西院伽藍の桜

そろそろ桜が満開の時期になってきた。写真は、法隆寺西院伽藍経蔵付近の桜である。経蔵前にあるこの桜の古木、背は大変低いのだが、それがかえって桜の木全体のバランスの良さを生み出していて、見ている者を日本的な春の雰囲気に誘う。どっしりとして連子…

法隆寺東院伽藍外壁の陰影

JR法隆寺駅から奈良交通72系統のバスに乗り、「興留」→「中宮寺前」→「法隆寺前」→「法隆寺参道」と進み、一般の観光客は「法隆寺参道」で降りるのが普通だが、二つ目のバス停の「中宮寺前」で降りて、国道の信号を渡り、標識にしたがって北へ約5分ほど歩く…

法隆寺東院伽藍絵殿・舎利殿

法隆寺東院伽藍には、東西に長い「絵殿・舎利殿」がある。鎌倉時代の重要文化財で、格子状のデザインが目を惹く建造物である。夢殿を中心に南側に似たような構造の「礼堂」(現在修理中なので見ることができません)と北側に絵殿・舎利殿がある。厳密には中…

法隆寺東院伽藍夢殿の木扉

法隆寺東院伽藍夢殿は一般に八角円堂と呼ばれる。奈良県五條市にある榮山寺八角堂(藤原武智麻呂の菩提を弔うために子の藤原仲麻呂によって建立されたと伝えられる)とともに奈良時代の円堂を今に見ることができる貴重な建造物である。建立以来、何度かの修…

法隆寺夢殿にて

法隆寺夢殿は、法隆寺東院伽藍に位置する。有名な金堂や五重塔からは少し東へ歩かなければならない。JR法隆寺駅からのバスでは、「中宮寺前」のバス停で降りて約400メートルほど北へ歩けば直接東院伽藍へ到達できる。法隆寺のサイトからの引用では「高い基壇…

法隆寺五重塔の二重基壇

法隆寺金堂同様に、五重塔も二重基壇上に建っている。基壇は土で築かれた建築物であり、中は砂と粘土を突き固めて盛り土したものである。基壇の高さが1.5メートルもあるのは湿気から守るという意味のほか,権威を示すという目的もあったかもしれない。基壇は…

法隆寺金堂の基壇

法隆寺金堂は、後の奈良時代には見られない二重基壇上に建ち、間口は5間(1間=約1.8mなので、5間は約9mとなる)で奥行4間の重層入母屋造である。二重基壇は5世紀~7世紀に用いられ、その後単層基壇の形式が主流となる。金堂内には、飛鳥時代を代表す…

法隆寺回廊の木柱

法隆寺の特色は、古都の名残を残したままの回廊が現在も東西に残されていることである。中でも目を惹くのが、林の木々のように並び立っている多くの木柱である。一つ一つに個性があり、その美しさに引き込まれていく。写真の木柱は相当色褪せてしまっている…

桜が咲きはじめる頃

背景は回廊の連子窓からの仄白い光である。今日奈良でも桜の咲いているところをいくつか見かけた。写真は少し前の桜が開花を待っている時期のものである。毎年この季節は、年度の変わり目ということもあり、心の中も一つの区切りを迎え、何か期待と不安が入…

法隆寺回廊連子窓の陰影

夕刻の法隆寺西側の回廊で撮影した連子窓の陰影のワンシーン。今回は影の形をはっきりと写してみた。影の間に礎石の上に立てられた木柱を配置した構図にした。法隆寺回廊は山田寺と同じ単廊である。片側だけに通路があるスタイルである。興福寺の場合は複廊…

法隆寺境内に咲いた梅花

少し季節が過ぎてしまったが、法隆寺境内に二月末に咲いた梅の花の写真をアップした。法隆寺講堂の横に佇む大きめの梅の木がこの日綺麗に咲いていた。背景の金堂のシルエットが美しい。撮影機材のSummicron 50mm f/2レンズはライカスクリューマウント仕様の…

祝日の法隆寺南大門

祝日の法隆寺南大門には、国旗が掲揚してあった。寺院に国旗というのが少し珍しいように感じた。聖徳太子ゆかりの寺院ということも関係しているのかもしれない。風にたなびくさまは、また普段とは違った趣のある景観だった。個人的には、この法隆寺の玄関と…

法隆寺南大門につながる長い参道

写真は法隆寺南大門につながる長い参道である。JR法隆寺駅からはバスが出ていて、歩くと遠いが、バスではほんの5分ほどで着いてしまう。バス停を降りた後にいつも通ることを楽しみにしているのがこの参道である。松の木が出迎えてくれるのと、午後からの陰…

法隆寺回廊連子窓の陰影

夕刻の法隆寺、特に西側の回廊の陰影は美しいと思う。3月のこの時期であれば、午後3時半から4時くらいの間であろうか。西日がすっと連子窓を通して入ってくる。その間日射しは強弱を繰り返し、撮影のタイミングを図るのは難しい。今回の写真は、日射しが…

法隆寺金堂の木扉

法隆寺金堂といえば、1949年1月末に起きた火災がまず頭の中に浮かんでしまう。このできごとは当時国会でも大きく取り上げられ文化財保護に関する問題提起がなされた。古代から引き継がれてきた金堂の壁画の多くが焼損してしまった。翌年には文化財保護法の成…

南都七大寺の一つ法隆寺

先日法隆寺へ撮影に行ってきた。JR法隆寺駅から歩くと20分くらい参道までかかった。途中に歩道のほとんどないような国道を歩かねばならず、大変危険な道程であった。それでも参道についてから南大門、中門へと至る道は古都の雰囲気が感じられて大変心地よか…