古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

枯れ木の力強さ

奈良の写真家といえば故入江泰吉さんが著名である。4月3日(土)から入江泰吉記念奈良市写真美術館にて『聖徳太子1400年御遠忌記念 入江泰吉「法隆寺」展』が始まるので、僕自身大変楽しみにしている。入江泰吉さんが生前仰っていた言葉に「滅びの美」というものがある。僕はこの言葉が好きで、日頃から写真を撮るときにそのイメージを大切にしたいと思っている。法隆寺西円堂の片隅にひっそりと残っていた写真の枯れ木。おそらく桜の木だと思われるが、まるでオブジェのようにそこに佇んでいた。入江さんの遺された言葉のイメージのような、かつては華やかに花を咲かせていたに違いない、その名残が美しいと感じた。突き出すような枯れ木のスタイルに迫力を感じた。

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オブジェのような枯れ木