古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

法隆寺西円堂にて

法隆寺西円堂は西院境内北西の小高い丘の上に位置し、実際登ってみると大変見晴らしのいいところである。法隆寺の境内にあっては目立たない場所にある。建造物は夢殿と同じく八角円堂である。「峰の薬師」とよばれ、奈良時代の薬師如来坐像を本尊としている。創建時の建物は1050年(永承五年)に倒壊のため、1249年(建長五年)に再建されている。薬師如来坐像の無病息災、延命長寿の霊験が人々の信仰を集めてきた。毎年二月の「修二会」や「鬼追式(追儺会)」が名高い行事として知られる。「修二会」といえば、752年(天平勝宝四年)、東大寺の僧実忠が創始したと伝えられ、これが有名な東大寺二月堂での「お水取り」である。法隆寺においては二月に西円堂で行われるところから「西円堂修二会」と呼ばれ、1261年(弘長元年)から始められたとされる。「鬼追い」も同じ年に始まっている。

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法隆寺西円堂