背景は回廊の連子窓からの仄白い光である。今日奈良でも桜の咲いているところをいくつか見かけた。写真は少し前の桜が開花を待っている時期のものである。毎年この季節は、年度の変わり目ということもあり、心の中も一つの区切りを迎え、何か期待と不安が入り混じったような、そわそわした落ち着かない気持ちになる。桜が咲きはじめるとなぜか嬉しさもあり、日本の四季は良いなと感じる。こういった心の動きは古都奈良の先人たちの気持ちの中にもあったかもしれない。生活スタイルや文化が違えども、桜を待つ何となく華やいだ気持ちは同じではないかと想像する。