法隆寺の西院伽藍、東院伽藍ともに大きな特徴として挙げられるのが、長い歩廊の連子窓である。かつて山田寺の廃墟から連子窓の窓ごと発掘されたというニュースがあって衝撃的だったが、古都奈良の先人たちの知恵は実に奥深く、この連子窓にはいくつもの工夫がなされている。その一つに仄かに差し込む光があると思う。歩廊内は、夢殿付近に比べ薄っすらと暗く、独特の雰囲気を感じる。また連子窓から外の世界を除くと、普通見る景色とは違って見えてくるのが不思議である。写真は東院伽藍の歩廊の一つであるが、手前が暗い分、格子越しの外の世界がとても明るく感じる。
撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Leitz Xenon 50mm f/1.5