古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

大雨の中の薬師寺東塔

大雨の中の薬師寺東塔 最近は、全国的に大雨が続くことが多くなっている気がする。梅雨もとっくに終わっているはずなのに、今年の8月は雨の日が多い。この日も奈良は大変な大雨だった。遠くに望む薬師寺東塔もリニューアルしたばかりなのに、長雨は木材にと…

大雨の中の薬師寺西塔

大雨の中の薬師寺西塔 こちらも同じ大雨の日の撮影。薬師寺東塔側から見た西塔である。左隣に聳え立つ巨大な松の木は、西塔を撮影する際のアクセントとなっている。対する東塔の傍には大きな松の木は存在していない。撮影機材は、ライカMモノクローム+Leitz…

雨に濡れた薬師寺の礎石

雨に濡れた薬師寺の礎石 いつもは目立たない場所にある薬師寺の礎石群。この日は大雨で、礎石の表面が雨の反射でひと際目に付いた。しっとりとした雰囲気が古都の名残を感じさせる。撮影機材は、ライカMモノクローム+Leitz Elmarit 40mm f/2.8レンズ。この…

大雨の日の薬師寺金堂

石畳に映る薬師寺金堂のシルエット このところ大雨の日が続いている。そんな中、薬師寺へ行く機会があり雨の日の撮影をした。夏は太陽光が強すぎて、なかなかいい写真が撮れない。したがって雨の日はいい被写体に出会うチャンスが多い気がしている。ただし、…

薬師寺東塔の存在感

存在感のある薬師寺東塔 薬師寺という寺院は、もともと藤原京にあった官立の寺院である。天武天皇が建立を命じた寺院には、もう一つ大官大寺(平城京では大安寺)がある。文献資料によれば、680年に始まった建設事業は、天武天皇の死去後は持統天皇が引き…

HELIAR classic 50mm f/1.5レンズ

久々に写真家セイケトミオ(清家冨雄)さんの写真作品をネット上で拝見することができた。9月にコシナから「HELIAR classic 50mm f/1.5」レンズが発売される。その写真作例にセイケトミオさんの作品が5点載せられている。このレンズの説明をコシナのサイト…

『聖徳太子没後1400年 入江泰吉×工藤利三郎「斑鳩」展』を観て

入江泰吉記念奈良市写真美術館の展示情報(高畑町の掲示板にて) 先日、入江泰吉記念奈良市写真美術館で開催している『聖徳太子没後1400年 入江泰吉×工藤利三郎「斑鳩」展』を観に行った。工藤利三郎は明治期の写真家で、その作品には、焼損する前の法隆寺の…

薬師寺大門付近の土塀

薬師寺大門付近の土壁 薬師寺與樂門から道路沿いに東へ進んで行くと、大門付近の歴史ある土壁が長く続く。こちらの経年変化も激しく、冠木門付近の土壁とは表情が違う。写真は側面から撮影。右手には自転車に乗って通り過ぎた人が写り込んでいる。撮影機材は…

薬師寺與樂門

薬師寺與樂門にて 薬師寺の北の玄関口といえる與樂門の朱塗りの壁を撮影。金具と釘隠しがアクセントとなっている。近鉄西ノ京駅からここへは歩いて3分ほどである。撮影機材は、ライカMモノクローム+Summilux 35mm f/1.4(2nd)レンズ。このレンズの周辺光量…

薬師寺冠木門近くの土壁

薬師寺冠木門近くの土壁 薬師寺から唐招提寺へ向かう途中に見られる土壁。この土壁は距離が長く、古都の名残を感じさせてくれる場所である。以前、この壁を調査している方々がおられた。もしかしたら近い将来、この壁を修築するのかもしれないと感じた。ヒビ…

薬師寺東院堂の功徳箱

薬師寺東院堂の賽銭箱 写真は薬師寺東院堂の賽銭箱である功徳箱。ここには有名な白鳳時代の仏像である『東院堂聖観音像』が安置されている。顔が美しく気品を感じる聖観音像にお参りすると心が洗われるようである。この功徳箱は大きくて、いつも目に留まる被…

観音池から望む薬師寺東塔

観音池から望む薬師寺東塔 薬師寺南門から東へ進んでしばらくすると大きな池に出る。この池を観音池と呼ぶ。薬師寺境内まで結構距離があるため、薬師寺東塔はその頭の部分しか拝めない。しかし、手前の木々が、ちょうど東塔を隠しているようで幻想的ともいえ…

薬師寺境内南側の歴史ある外壁(続編)

薬師寺境内南側の歴史ある外壁(その2) 薬師寺南門を出て東へ向かってしばらく歩くと秋篠川に出るが、そこに至るまでの行程で写真のような土壁の経年変化を見ることができる。長年の風雨による傷みもさることながら、この亀裂や土壁の剥がれは長い歴史を感…

薬師寺境内南側の歴史ある外壁

薬師寺境内南側の歴史ある外壁 薬師寺南門を出てすぐにアスファルトの道路が東西に延びている。そこを東へ歩いていく道沿いには、写真のような歴史ある土壁が長く続いている。僕はこの道が好きで、ついつい土壁の色々な表情に見入ってしまう。ただのクラック…

雨の薬師寺境内外壁

雨の薬師寺境内外壁 薬師寺から唐招提寺へ向かう参道の途中に冠木門があり、その近くに歴史ある土壁が長い距離にわたって続き、古都らしい何ともいえない趣がある。経年変化が激しいため、もしかしたらこの一連の土壁はいずれ補修されてしまうかもしれない。…

薬師寺南門にて

薬師寺南門にて撮影 薬師寺南門は、この寺院の境内への入口といえる大きな門である。ここをくぐると薬師寺金堂と西塔、東塔が見えてくる。この寺院の伽藍形式をはっきりと認識できる場所である。その扉の木の質感と背景には几帳を入れて撮影。ライカの定番レ…

静謐

薬師寺龍王社にて撮影。モノクローム写真にすることで、その静謐さがよく伝わってくる。龍王社は薬師寺東院堂の隣にひっそりと佇む小さな社である。天武天皇の皇子の一人であり、謀反の疑いを掛けられて自害することになった悲劇の皇子である「大津皇子」の…

Leica Elmar 50mm f/3.5レンズ

ライカMモノクロームとエルマー50㎜f/3.5レンズ ライカMモノクローム(Typ246)にエルマー50㎜レンズを付けてみた。シリアルナンバーを調べたら、1930年代のレンズと分かるニッケルタイプである。沈鏡胴のオーソドックスなレンズであり、写りはシャープで、…

今週のお題「住みたい場所」

今週のお題「住みたい場所」。僕にとってはもちろん古都の名残を感じることができる奈良がいい。平城京を中心とした地域ももちろんだが、飛鳥時代の遺跡が残る明日香村や恭仁京のあとの残る京都府の南山城地方も魅力的である。 写真は薬師寺境内の蓮である。…

宅飲み(その9)

日本酒は『どぶろく(篠峯)』とあてはだし巻きと薬師味噌、大和牛の時雨煮など 宅飲みは続く。日本酒は、奈良県御所市の千代酒造の『どぶろく(篠峯)』。飲んだのは火入れ酒。生酒と違い炭酸ガスは入っていない。原料米は山田錦。酒度は-20と旨口。飲みや…

薬師寺は駅近な世界遺産

駅近な世界遺産である薬師寺 薬師寺はおそらく世界で最も駅近な世界遺産といわれる。近鉄西ノ京駅から歩いてすぐに薬師寺の與樂門に着けるので、一度来られた方は実感できると思う。写真は、薬師寺西塔と近鉄電車が来るタイミングを見計らって撮ったものであ…

宅飲み(その8)

日本酒は『出世男』、あては餃子とエビチリに春雨サラダ 今週も宅飲みシリーズ。日本酒は、河合酒造の『出世男』。酒度は±0度。この酒造は、大和三山に囲まれ、江戸時代の町並が残る今井町で現存する唯一の酒蔵。名前も縁起がいいと思う。今回は中華料理に…

薬師寺龍蔵院のお地蔵様たち

薬師寺龍蔵院のお地蔵様たち 薬師寺龍蔵院には、多くの方々の墓が存在する。寺院そのものは小さいが、墓所の敷地は広いところである。境内に入ってすぐのところにこのお地蔵様たちが見えてくる。これだけ整然と並んでいるとモノクローム写真にすると迫力が出…

薬師寺龍蔵院にて

薬師寺龍蔵院にて撮影 薬師寺龍蔵院は近鉄西ノ京駅の北西側、細い道伝いに住宅街を通り抜けるとやがて到着する。ただ、普通の住宅街の中にあり、地図でしっかり探して行かないと大変分かりづらい場所にあり迷ってしまう。薬師寺の境内から離れたところにある…

お題の「575」と宅飲み(その7)

日本酒『櫛羅』にあてはうなぎ寿司と豆腐で宅飲み 今週のお題は「575」。週末はまだまだ宅飲みで楽しんでいる。緊急事態宣言の期間である20日をまもなく迎えようとしているが、東南アジアで新たな変異株が見つかったりしていて、感染再拡大も懸念され、先行…

薬師寺境内の龍王社

薬師寺の境内には、主に四つの社が存在する。弁財天社、若宮社、平木大明神社、そして龍王社である。いずれも寺院の中に神を祀る社が存在することから、神仏習合の証といえる。奈良時代から徐々に浸透した神仏習合の流れは、平安時代以降定着し、本地垂迹説…

薬師寺の蓮とロータスロード

薬師寺の蓮の葉 毎年、蓮の花が咲く季節になると、西大寺・喜光寺・唐招提寺・薬師寺で「奈良・西ノ京ロータスロード〜蓮と歴史を楽しむ旅〜」が開催されてきた。 先日のこの記事が昨年度の引用をしてしまい、間違った内容をお伝えしていたことをお詫びいた…

宅飲み(その6)

日本酒『三諸杉(菩提酛)』とう巻き、生麩の田楽で宅飲み 今週も引き続き、宅飲みシリーズ。日本酒は、今西酒造の「三諸杉(菩提酛)」。酒蔵は日本最古の神社「大神(おおみわ)神社」の近くにあり、奈良県三輪は「酒の神が鎮まる地」とされている。ラベルの…

経年変化した白壁の魅力(薬師寺)

エルマリートC40㎜ f2.8で撮影した薬師寺大門横の白壁 エルマー35㎜ f3.5で撮影した東大寺付近の白壁 薬師寺大門につながる白壁は経年変化のため、大変歴史を感じさせる土壁になっている。薬師寺から唐招提寺へ向かう参道沿いの白壁の風情も好みだが、こちら…

写真家鬼海弘雄さんを偲ぶ

鬼海弘雄さんのエッセイ集と僕のハッセルブッラドカメラ(500C/M) 昨年(2020年)10月19日未明、写真家の鬼海弘雄さんが他界された。鬼海弘雄さんについては、東京・浅草寺で撮られた独特なポートレイトが有名である。僕が鬼海さんに興味を持ったのは、ハッセ…