久々に写真家セイケトミオ(清家冨雄)さんの写真作品をネット上で拝見することができた。9月にコシナから「HELIAR classic 50mm f/1.5」レンズが発売される。その写真作例にセイケトミオさんの作品が5点載せられている。このレンズの説明をコシナのサイトから引用する。
レンズ構成はヘリアタイプをベースとする3群6枚で、F1.5の大口径を実現。現代レンズにないクラシカルな写りを追求し、あえて各種の収差を表出させる光学設計を採用しています。飛び道具的ではなく飽きのこないボケ味に加え、残存させたコマフレアとレンズへのシングルコーティング仕上げにより、極めて個性的な絞り開放描写が得られます。この傾向は絞り込むことで減少し、絞りF4からは他のフォクトレンダー製VMマウント50mmレンズと同等の性能を発揮します。
とある。開放付近の写りには、コマフレアを残存させ、ライカのオールドレンズを思わせる表現に近づけたようなイメージである。レンズ構成を見ると、ライカのヘクトール50㎜ f/2.5レンズを思わせる。二枚貼り合わせの三群という構成が見逃せない。興味深いレンズだと感じるし、写真作品を見ていると暗部の粘りが美しいと僕は感じる。セイケさんの作品を見て、もう閉じてしまわれたブログ「b-road」を思い出してしまった。
僕が持っている写真集の一つに、セイケトミオさんの「PORTRAIT OF ZOE」がある。日本で偶然出会った女性Zoeを東京・パリ・ニューヨーク・ロンドンで5年にわたって撮り下ろしたモノクロームポートレート集である。主にSummilux 35mm f/1.4レンズとNoctilux 50mm f/1.0レンズで撮られている。特に光の捉え方が素晴らしいと感じる写真集である。