古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

雨の薬師寺境内外壁

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雨の薬師寺境内外壁

薬師寺から唐招提寺へ向かう参道の途中に冠木門があり、その近くに歴史ある土壁が長い距離にわたって続き、古都らしい何ともいえない趣がある。経年変化が激しいため、もしかしたらこの一連の土壁はいずれ補修されてしまうかもしれない。そういう思いが、薬師寺界隈の写真を撮りたいと思う動機である。個人的にはできればこの時期の薬師寺の写真を記録にとどめておきたいと感じる。

一方で東塔のようにリニューアルされる建造物もあり、薬師寺という寺院は大変時間空間が入り乱れ混在している場所でもある。新しい西塔や金堂、講堂があるかと思えば、南門付近の外壁は傷みが激しい。東院のような鎌倉期からのイメージをそのまま残している建造物もある。この興味深い、南都七大寺の一つである薬師寺を少しでも記録として残しておきたい。写真は外壁沿いの屋根瓦の一つである。雨の日に撮影。撮影機材は、ライカMモノクローム+Elmar 50mm f/3.5(L)ニッケルタイプ。