古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

宅飲み(その8)

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日本酒は『出世男』、あては餃子とエビチリに春雨サラダ

今週も宅飲みシリーズ。日本酒は、河合酒造の『出世男』。酒度は±0度。この酒造は、大和三山に囲まれ、江戸時代の町並が残る今井町で現存する唯一の酒蔵。名前も縁起がいいと思う。今回は中華料理に合わせてみた。奥に見えるホットプレートでカリカリに焼いた美味しい餃子とスーパーで買ったエビチリ。さらに春雨サラダ。今回のあても日本酒によく合う。まもなく緊急事態宣言が終わるが、それでも家でほろ酔い気分が安全でいいと思っている。

薬師寺龍蔵院のお地蔵様たち

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薬師寺龍蔵院のお地蔵様たち

薬師寺龍蔵院には、多くの方々の墓が存在する。寺院そのものは小さいが、墓所の敷地は広いところである。境内に入ってすぐのところにこのお地蔵様たちが見えてくる。これだけ整然と並んでいるとモノクローム写真にすると迫力が出てくる。お地蔵さまたちの前掛けがこの写真にアクセントを与えている。この前掛けには意味がある。以下「 Japaaanマガジン」からの引用である。

お地蔵さんが「子供を守る神様」として信仰されてきたことから、人々が「自分の子供が健やかに育つように」という願いを込めてよだれかけを奉納するようになった。お地蔵様に奉納されるよだれかけや帽子が赤いのは、「赤」という色に「魔除け」の意味があると信じられていたから。

ということである。撮影機材は、ライカMモノクローム+Summaron 35mm f/3.5。

mag.japaaan.com

薬師寺龍蔵院にて

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薬師寺龍蔵院にて撮影

薬師寺龍蔵院は近鉄西ノ京駅の北西側、細い道伝いに住宅街を通り抜けるとやがて到着する。ただ、普通の住宅街の中にあり、地図でしっかり探して行かないと大変分かりづらい場所にあり迷ってしまう。薬師寺の境内から離れたところにあるため、ここは薬師寺の「奥の院」ともよばれている。境内には墓地もあり、歴代の薬師寺管主のお墓が並んでいる。写真は、本堂の経年変化に歴史を感じる木扉を撮影した。木目が大変美しい。撮影機材は、ライカMモノクローム+Summaron 35mm f/3.5。ズマロン三半の描写は柔らかさも兼ね備えており素晴らしいと思う。

お題の「575」と宅飲み(その7)

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日本酒『櫛羅』にあてはうなぎ寿司と豆腐で宅飲み

今週のお題は「575」。週末はまだまだ宅飲みで楽しんでいる。緊急事態宣言の期間である20日をまもなく迎えようとしているが、東南アジアで新たな変異株が見つかったりしていて、感染再拡大も懸念され、先行きが見えない状況となっている。

今回の日本酒は、奈良県御所市にある千代酒造の「櫛羅(くじら )」。奈良県民にはこの日本酒のファンが多い。葛城山の山裾に位置する蔵。この気候風土に育てられた山田錦とこの地で汲み上げる井戸水を組み合わせて出来るこの「櫛羅」には味わいがある。かつては、居酒屋にあれば僕は必ずこのお酒を注文していたくらい好きな日本酒である。あては、デパ地下で買ったうなぎ弁当から美味しそうなものをピックアップ。寿司と日本酒は本当によく合うと思う。今週もまたまたほろ酔い気分である。

最後に「出れぬなら うちで楽しむ 酒三昧」。飲み過ぎに注意は必要だが、うちで過ごす時間も大切にしたいものである。

薬師寺境内の龍王社

Wood grain patterns #19 by Hiro .M on 500px.com

薬師寺の境内には、主に四つの社が存在する。弁財天社、若宮社、平木大明神社、そして龍王社である。いずれも寺院の中に神を祀る社が存在することから、神仏習合の証といえる。奈良時代から徐々に浸透した神仏習合の流れは、平安時代以降定着し、本地垂迹説などを生んでいく。薬師寺には、薬師寺僧形八幡神像という、僧の姿をした八幡神の仏像が残っている。こちらも仏教と神道の融合の象徴といえるものである。そういった歴史や背景を持つ薬師寺では、他の寺院より少し神仏習合の印象が強い気がする。写真は龍王社で撮影したもの。エルマリート-C40㎜レンズの描写は意外とディテールが柔らかい。それは木目の描写によく出ている。しかし柔らか味も感じるいいレンズだと思う。撮影機材は、ライカMモノクローム+Elmarit-C 40mm f/2.8。この写真は500pxにアップした。

薬師寺の蓮とロータスロード

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薬師寺の蓮の葉

毎年、蓮の花が咲く季節になると、西大寺・喜光寺・唐招提寺・薬師寺で「奈良・西ノ京ロータスロード〜蓮と歴史を楽しむ旅〜」が開催されてきた。

先日のこの記事が昨年度の引用をしてしまい、間違った内容をお伝えしていたことをお詫びいたします。以下訂正内容です。

今年は6月11日(金)から8月15(日)まで実施される。昨年度は中止されたが今回は家族で楽しめる関連企画も登場する。

撮影機材は、ライカMモノクローム+エルマリート-C40mmレンズである。

※参考サイト

narashikanko.or.jp

宅飲み(その6)

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日本酒『三諸杉(菩提酛)』とう巻き、生麩の田楽で宅飲み

今週も引き続き、宅飲みシリーズ。日本酒は、今西酒造の「三諸杉(菩提酛)」。酒蔵は日本最古の神社「大神(おおみわ)神社」の近くにあり、奈良県三輪は「酒の神が鎮まる地」とされている。ラベルの2人の僧のイラストが、このお酒のトレードマークになっていて奈良らしくて何とも良い。濃厚甘口の日本酒で、酒度は「-6」である。菩提酛造りとは、清酒発祥の地として有名な奈良県の正暦寺で作醸された酒造法。今の酒造りの原点だとされている。あてはデパ地下で買ったう巻き。生麩の田楽の胡瓜と湯葉のお浸し。日本酒に合うベストな組み合わせ。今週もまたほろ酔い気分で過ごしたい。

経年変化した白壁の魅力(薬師寺)

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エルマリートC40㎜ f2.8で撮影した薬師寺大門横の白壁
         エルマー35㎜ f3.5で撮影した東大寺付近の白壁

薬師寺大門につながる白壁は経年変化のため、大変歴史を感じさせる土壁になっている。薬師寺から唐招提寺へ向かう参道沿いの白壁の風情も好みだが、こちらの白壁の雰囲気は、特に古都の名残を感じさせる。撮影機材は、ライカMモノクローム+Elmarit-C 40mm f/2.8である。このレンズの表現は、確かにエルマー35ミリによく似ている気がする。ただし、エルマーの方が周辺光量落ちが目立つ。レンズが作られた時代が古いせいもあるかもしれない。

写真家鬼海弘雄さんを偲ぶ

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鬼海弘雄さんのエッセイ集と僕のハッセルブッラドカメラ(500C/M)

昨年(2020年)10月19日未明、写真家の鬼海弘雄さんが他界された。鬼海弘雄さんについては、東京・浅草寺で撮られた独特なポートレイトが有名である。僕が鬼海さんに興味を持ったのは、ハッセルブラッドで写真を撮り始めるようになってからであった。それまでは、あのポートレイトの良さがよく分からなかったが、6×6で写真を撮り、現像して手焼きをしてみると、その素晴らしい構図や、なぜ一般のおじいさんやおばあさんなどがテーマになっているかが少し分かるようになってきた。また、最近薬師寺の境内で撮影していて思ったのだが、鬼海さんがいつも背景にしている浅草寺の朱色の門は、モノクロームで実によく映えるという点であった。ライカMモノクロームで撮影していると朱色の門はモノクロームでは程よいグレーのトーンとなりムラがないことが分かる。そのことで、前に置かれた人物はくっきりと浮かび上がってくる。実にうまく考えられた背景だと思う。もちろん朱色の門だけをとってもつまらない。しかし前に人物が立つことで、ポートレイトとして大変効果的になると感じる。

2019年の秋に、入江泰吉記念奈良市写真美術館にて、「鬼海弘雄 PERSONA 最終章」展が開催され、その中で、写真家の百々俊二と鬼海弘雄さんの対談が行われた。僕はその時興味があって、この対談を聞きに行った。対談内容は大変面白いものだったが、鬼海さんの体調が対談中ずっと気になっていた。当時、癌治療で療養中ということだったが、対談が終わり、最後に写真集など書籍を買う際に、購入者全員にサインをされていた。結構人が並んでいて、皆サインをもらい嬉しそうにされていた。僕も本音を言えば写真集を購入して、サインをもらいたかったが、憔悴しきっていた鬼海さんが目に入り、エッセイ集は買ったが、サインをもらうのは止めた。この時、随分と体調が悪かったのだと思う。しかし、写真家の思いと来館者への配慮もあってか無理をされていたに違いない。僕はその時気の毒でならなかった。

対談の中で印象的だったのは、このポートレートシリーズが全てハッセルブラッドと80ミリの標準レンズで撮影されているという点だった。鬼海さんの恩師である福田(定良)先生に当時高額だったハッセルブラッドと標準レンズを買ってもらい、以来ずっとそのセットで写真を撮り続けてきたという。カメラとレンズを変えてしまえば、作風も変わる。それゆえ同じカメラと同じレンズで撮り続ける。それ以上に、鬼海さんにとっては、このカメラとレンズのセットは、恩師への謝意や想いがあって変えられなかったのではと感じる。現にインドの撮影には、壊れたりなくしたりということを避けて持っていかなかったという。普通ではなかなか買えないこのセットを恩師に買ってもらった。ずっと使い続けようという鬼海さんの強い意思がそこにあると感じた。

この展示で初めて鬼海さんが手焼きされた本物の浅草ポートレートシリーズを観た。正直写真や本で見るのとは全然印象が違っていた。大全紙?に真四角に焼かれた作品群は、圧倒的な迫力があった。観に行って良かったと思うし、まさかこの時が鬼海さんを見る最後の機会になるとは思っていなかった。鬼海さんが保護ネコの「ミミ」ちゃんを本当に大切にしていたという話も彼の作品とその人間性を知る上でいいエピソードであると思う。

以下、参考記事である。朝山実さんのこのレポートは大変面白かった。

note.com

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宅飲み(その5)

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美味しい日本酒『百樂門』としょうがの奈良漬で宅飲み

再び今週のお題「雨の日の過ごし方」。雨が続くのかと思いきや、しばらくはずっと晴れの予報。それでも不要不急の外出は控えたい。そうなるとやはり楽しみは宅飲み。

今回の日本酒は、「菩提酛仕込み」と「どぶろく」でも知られる葛城酒造の『百樂門』。奈良県民にはこの日本酒のファンが少なくないはず。岡山県産雄町を100%使用した精米歩合60%の純米吟醸。その中でもいいとこ取りをした中汲み生原酒である。口当たりがよく、フルーティーな味わいで和食にとても合う。あては薬師寺南門前にある本場奈良漬製造元の「寿吉屋」で買った生姜の奈良漬。それを薬師寺で購入した赤膚焼のお皿に盛り付け。ついついお酒が進んでしまう。スーパーで買ったナスのおひたしにベーコンとポテトのサラダ。今週も引き続きほろ酔い気分である。