古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

写真を習慣にする:粘りと根気

Hatenaブログの今週のお題「習慣にしたいこと・していること」について、少し書いてみようと思う。昨年度からずっとこだわっていることは、写真を撮ることを続けるという習慣である。僕にとっては、このことがまさに「習慣にしたいこと・していること」となる。

写真を撮ることについては、二つのことを心掛けるようにしている。一つはテーマを持つこと、一つはフィルムカメラでの撮影を止めないことである。どちらも粘りと根気が必要なため、続けることが時々苦しくなることがある。

一つ目のテーマを決めるについて、僕がいまテーマにしているのは古都奈良の名残を求めることである。法隆寺での撮影はその一つであるが、奈良県の複数の寺院をテーマに自分なりに現在の奈良の記録を残しているという部分もある。現在ではSNSの広がりにより、写真のアート的な部分が強調されることが多いが、僕は写真の記録の部分にこだわっている。特にモノクロームで写真を撮ることは、余計な色彩を削ぎ落すことができ、陰影によって古都奈良をシンプルに記録にすることができる。

LMM(Typ246)+Leitz Summaron 35mm f/3.5レンズとフード

二つ目のフィルムカメラで撮影することを止めないについては、最近のフィルム価格の高騰が痛い部分はもちろんあるが、それでもフィルムで撮り続けようと自分の中ではこだわりを持っている。昨年度の目標「年間50本を撮る」は、目標を達成できず、20本ほどで終わってしまったが、フィルム撮影は今も続けている。

撮影機材は主にハッセルブラッド500C/Mとプラナー80ミリレンズの組み合わせである。キャノン7やライカのバルナック型も使っているが、やはり正方形の6×6の構図が断然良いと自分では思っている。また、フィルムで撮る写真は、デジタルで撮影した写真とは別物であると考える。同じアート写真作品として見たとしても、表現方法が全く違うと感じる。現像して、手焼きして引き伸ばし、その過程で覆い焼き、焼き込みを何度も行ったり、複数のフィルタを使ったりして一つの写真を仕上げる。さらに現像液に浸す時間の増減で作品ががらりと変わってくる様などは、デジタルでは表現できない部分でもある。したがって、フィルムとデジタルは、そもそも全く別次元の写真表現だと僕は思っている。

フィルム写真のネガのコンタクトシート

この二つを続けるのは、粘りと根気がいる。テーマにこだわると、時々飽きが来ることもあり、別の被写体を探したりする。フィルムも今の時代には合わない、スローなプロセスによって成り立つ写真表現である。時間がとてもかかる。しかし、何事も粘りと根気がないと続かないと思っている。今回のテーマ「習慣にしたいこと・していること」について、いま自分が気を付けていることはこの二つだと改めて振り返ってみた。

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