古都の名残を求めて

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古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

法輪寺金堂でElmar 35mm f/3.5レンズとElmarit-C 40mm f/2.8レンズを撮り比べ(その3)

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Elmar 35mm f/3.5レンズとElmarit-C 40mm f/2.8レンズの撮り比べ(プリント)

レンズ構成の似ている二つのライカレンズの撮り比べ第三弾。今回もライカのElmar 35mm f/3.5レンズとElmarit-C 40mm f/2.8レンズを同じ被写体、同じ場所で立ったままカメラのレンズ交換をして撮影した。35ミリと40ミリの差は意外と大きく、構図を考える上で参考になると思う。

今回は、二枚の写真をRAWファイルからそのままtiffデータ化し、それをプリンタにてA4判で印刷してみた。レタッチは一切していない。使用した紙は、Cansonの「PLATINE FIBRE RAG」というインクジェット紙で、実際に印刷したプリントを目で観て比較した。パソコンのモニター上ではどうしても細かい階調表現は分かりにくく、本当のレンズの実力を知ることは難しいと感じる。

実際に印刷したものを比較してみると、Elmar 35mm f/3.5レンズの写りはしっかりとしていて、プリント全体にわたって細部まで明確に描写していることが分かる。60年以上前のレンズとしては優秀だということが実感できる。ただ、このレンズは、以前別の個体を所有していたが、オールドレンズ特有の個体差が大きい。背景のボケ味はレンズによって少し違っている印象を持っている。

Elmarit-C 40mm f/2.8レンズについては、予想通りピントの合っている部分については、しっかりと線が描写されているが、35ミリのズミルックスまでとはいかないものの、全体的に柔らかいほわっとしたベールに包まれる。滲むようなという表現がピッタリであろうか、その空気感というか湿り気のような雰囲気こそは、僕がこのレンズが好きな理由である。私見ではあるが、雨の日の描写が特にいいと感じるのはこのためかもしれない。このレンズは生産数が少ないため、個体差については検証しようがないが、Elmar 35mm f/3.5レンズの切れのいい描写とは明らかに趣の違うレンズである。Elmarit-C 40mm f/2.8レンズが最短80cmまで寄れるのに対し、Elmar 35mm f/3.5レンズはスクリュータイプのレンズのため、最短1mまでしか寄れない。これは撮影時の大きなアドバンテージである。

hasselphoto201909.hatenablog.jp

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