古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

薬師寺玄奘塔にて

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薬師寺玄奘塔にて

薬師寺の與樂門を出て、少し北東の方角へ歩いていくと大門がある。そこをくぐり真っすぐ進むと法隆寺夢殿のようなイメージの建造物である玄奘塔が見えてくる。写真はその玄奘塔の手摺り部分を撮影。撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Jupiter-8 50mm f/2である。Jupiter-8 50mm f/2の写りはなかなかピントがびしっと決まって尚且つボケ味が美しいと思う。いいレンズである。

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薬師寺創建の由来を記した檫銘

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薬師寺東塔の由来を記した檫銘

薬師寺東塔の相輪部には銘文が記されていて、檫銘は天武天皇即位8年11月12日、天武天皇の皇后である鸕野讃良皇女(うののさららのひめみこ)〔後の持統天皇〕の病気平癒を願って薬師寺創建を発願したことが書かれている。信憑性の高い史料として現在もこの記録が薬師寺の由来を記したものとしてその根拠となっている。撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Jupiter-8 50mm f/2である。

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薬師寺東塔の古材(その4:古代釘)

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薬師寺東塔に使われた古代釘

薬師寺東塔の古材、今回の展示は古代釘である。1000年以上も錆びない釘というのは、そうあるものではない。どこにその秘密が隠されているのか。以下は、薬師寺西塔再建を支えた「千年の釘」というサイトの記事からの引用である。

世界最古の木造建築である法隆寺。ここで使われていた釘は一千年余も経過した現在でも十二分にその役目を果たしていたという。

ところが現在の高炉から作られた釘は30年も経過すれば錆びて原形を留めないほど朽ち果ててしまう。

古代の釘は、砂鉄を炭で還元して造った不純物の極めて少ない純鉄を鍛造して釘に仕上げているので銹(さび)も表面だけで中に侵食していくことが極力少ないため千年以上の長きにわたりその役目を果たすことが出来るのだという。

釘一つとっても先人たちの匠の技には素晴らしいものがある。現代にも通じるような古都奈良の人々の知恵と技術をこの展示では大いに感じ勉強になった。撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Jupiter-8 50mm f/2である。

www.41-ie.com

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薬師寺東塔の古材(その3:肘木)

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薬師寺東塔の古材(肘木)

この写真は、薬師寺東塔の二層の裳階部分に使用されていた肘木である。「肘木」とは、コトバンクを引用すると、肘木とは、 宮殿・社寺などの建築の組物を構成する一つの要素。斗(ます)や桁(けた)を支える横木のこと。横方向の木材を支える貴重なパーツ。撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Jupiter 50mm f/2である。

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薬師寺東塔の古材(その2:巻斗)

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薬師寺東塔の古材(巻斗)

薬師寺東塔の古材シリーズ、今回は巻斗(まきと)という部材。巻斗とは、肘木の上に用いる小さい斗(ます)のことをいう。斗は位置と形によって名がつけられている。柱上にあるものを、前回の記事に出てきた大斗(だいと),肘木上のものを巻斗(まきと),隅(すみ)肘木上にあって下がねじれた曲面となるものを鬼斗(おにと)という。薬師寺東塔の各層の大きな屋根を細かく支えている部材であり、とても大切なパーツであることを感じる。明治の修理の時のものであろうか、平仮名と漢数字で番号が割り当てられ、墨で書かれていた。撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Summicron 50mm f/2(沈胴タイプ)である。

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薬師寺東塔の古材(その1:大斗)

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薬師寺東塔の古材(三層  大斗)

写真は現在薬師寺西僧坊で特別に一般公開されている薬師寺東塔に使われてきた古材の一つ(三層で使用された大斗)である。古代の建造物が、瓦により屋根が重くなったことは、建物に様々な部分に問題を引き起こした。以下建築に関するブログ「ひとかかえ大きな木」さんの記事からの引用。

木材は繊維を束ねた構造であるため、縦方向にかかる力には強いが、横から一点に受ける力には弱い。つまり、柱として用いるにはいいが、梁や桁のように水平に置く部材の場合、柱や束(短い柱)などとの接合点に重い屋根荷重が集中し、そこから割れたり折れたりしやすいのである。そこで考案されたのが「組物(くみもの)」と呼ばれる仕組だった。組物は水平材を掴むための手である「斗(ます)」と、この手を伸ばすための腕である「肘木(ひじき)」を組み合わせたもので、横に伸ばした肘木の先端に斗がのり、斗が他の部材をつかむことで、部材同士の接触面を増やし、荷重を分散する役割を果たす。

という特徴を持っている。この大斗(だいと)とよばれる部材は、横方向の木材を掴むように支え、薬師寺東塔の各層の重い屋根を支えてきたものである。経年変化で劣化している部分も見られるが、1300年の歴史を支えてきたものとして感慨が深い。撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Summicron 50mm f/2(沈胴タイプ)である。

参考記事:「ひとかかえ大きな木」(古建築についての私的研究・感想ノート、および訪問記)より

chounamoul.exblog.jp

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薬師寺東塔の相輪

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薬師寺東塔の相輪

薬師寺西僧坊では、現在オリジナルの水煙など、東塔の各パーツが一般公開されている。この展示を見るには、拝観料が1600円と高くなるが、そのお金を払うだけの価値はあると思う。今回の写真は、薬師寺東塔の相輪である。こんな巨大な金属の輪が何層も地上約34メートルの東塔の最上階のさらに上に乗っているのかと思うと、古代の職人たちの匠技には驚嘆するしかない。ユニークな発想だと感じる。撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Summicron 50mm f/2(沈胴タイプ)である。このレンズはピント合わせも楽で写りも50ミリの2ndズミクロンより味があって個人的には好みである。

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薬師寺東塔の檫管

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薬師寺東塔の檫菅

薬師寺東塔の檫管(さつかん)。「檫管」は塔の中心を貫く心柱を包む金属管のこと。相輪最下部には文字が刻まれた檫管があり、薬師寺建立の経緯が記されている。撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Elmarit-C 40mm f/2.8。

薬師寺東塔水煙の意匠(その2)

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薬師寺東塔水煙の意匠

薬師寺東塔水煙の意匠の続き。舞い降りる天女たちの姿と表情が美しい。意匠の考案者は何をモデルにしたのであろうか。この意匠が表す時代は白鳳時代よりも前のものとも言われている。歴史を知るとさらに興味深くこの水煙を観ることができる。撮影機材は、LeicaMMonochrom(Typ246)+Elmarit-C 40mm f/2.8。