古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

薬師寺東塔水煙の意匠

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薬師寺東塔水煙の意匠

現在薬師寺の西僧坊で薬師寺東塔水煙の本物が展示公開されている。実際に東塔の相輪の上に乗っているのは、精巧に再現された現代の技術で作られた複製の水煙である。明治時代にお雇い外国人のフェノロサがこの水煙を「凍れる音楽」と評価し、アーティスティックな作品に位置付けた。古代の先人たちが考え出した意匠はじっくり眺めるとそのきめ細かさに驚くとともに、天女の表情一つ一つが活き活きとしている。フェノロサの感想も頷けるのであった。この展示では、水煙と相輪などの東塔に関する展示物については撮影が認められているので大変ありがたい。撮影機材は、LeicaMMonochrom(Typ246)+Elmarit-C 40mm f/2.8。

薬師寺三重塔でElmar 35mm f/3.5レンズとElmarit-C 40mm f/2.8レンズを撮り比べ(その1)

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エルマー35ミリ f/3.5レンズで撮影した薬師寺の東西両塔

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エルマリートC 40ミリ f/2.8レンズで撮影した薬師寺の東西両塔

薬師寺の東西両塔を被写体に、ライカのレンズ撮り比べをしてみた。レンズは、Leitz Elmar 35mm f/3.5レンズとElmarit-C 40mm f/2.8レンズである。両レンズともに、3群4枚テッサー型という構成。上の写真がエルマー35ミリ、下の写真がエルマリートC40ミリのもの。5ミリの違いで東西両塔が40ミリではフルサイズでギリギリの構図となった。両方の写真ともモノクロームのトーンは同じ値で調整している。絞りもほぼ同じ設定である。似たような構成のレンズと言えども、黒色の締まり具合や階調、像のシャープさは、いずれもエルマー35ミリレンズが勝っていると感じた。画の柔らかさは、エルマリートC40ミリレンズの方があると感じる。この辺りは、好みの問題でもあるかもしれない。レンズの製造時期はエルマー35ミリレンズが1949年製(ノンコーティング)、エルマリートC40ミリレンズは1972年製(コーティングあり)である。製造時期が20年以上違うが、エルマー35ミリレンズの写りは素晴らしいと言わざるを得ない。また別のシーンでも試してみたいと思う。下は、レンズ構成図の引用画像である。引用記事は、PICCOLE  BUGIE  LEGATE  AL  MONDO  LEITZである。

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レンズ構成の比較画像

薬師寺東院堂付近から望む東塔

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薬師寺東院堂から望む東塔

薬師寺東塔はどの方向から見ても美しい。構造的にうまくできている。この写真は東院堂から見上げた薬師寺東塔である。古代の技術者たちの匠の技は素晴らしい。

経年変化で歴史を感じさせる土壁

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薬師寺から唐招提寺へかけての参道途中にて

薬師寺から唐招提寺へは歩いて10分ほどである。その途中に、この経年変化の歴史ある雰囲気を持つ土壁がある。この奥には、玄奘塔へ向かう参道がある。先日の大雨でこちら側の土壁は崩れずに済んだ。内心ちょっと安心した部分がある。この雰囲気は残して保存しておいてほしいと思う。エルマー35ミリレンズの画角で程よい範囲を写し出してくれた。撮影機材は、LeicaMMonochrom(Typ246)+Leitz Elmar 35mm f/3.5である。

セイケトミオさんのブログが復活?

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新たにスタートした写真家セイケトミオさんの「note」

写真家のセイケトミオさんの「b-road」というブログが終わって久しい。その間、セイケロスともいうべき現象が少なからずあったように思える。写真を見るとセイケトミオさんの作品と分かるようなスタイル。それがこの写真家の一つの魅力となっていることは間違いない。先日紹介したコシナからの新しいレンズに関する記事で、セイケトミオさんの写真作品について触れた。今回は、その同じレンズに関する記事から始まるブログに辿り着いた。以下の「note」の記事がそれである。セイケさんのブログの復活?であろうか。これからも続編が楽しみである。

note.com

大雨の影響で薬師寺の外壁の門が損傷

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薬師寺境内の外壁の損傷

先日の大雨が続いた時期に、薬師寺から唐招提寺へ向かう参道沿いの外壁が一部崩れて損傷してしまったらしい。小さな門は取り壊され、写真のような覆いがしてある。雰囲気のあった土壁の一部がなくなってしまったのは残念である。撮影機材は、LeicaMMonochrom(Typ246)+Leitz Elmar 35mm f/3.5である。

薬師寺境内外壁の蓮華文軒丸瓦

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薬師寺境内外壁の蓮華文軒丸瓦

同じ、冠木門近くの外壁の蓮華文軒丸瓦を撮影。土壁の白さと軒丸瓦の黒の明暗差がくっきりとモノクロームに写ったシーン。撮影機材は、LeicaMMonochrom(Typ246)+Elmarit-C 40mm f/2.8。

雨の日の軒丸瓦

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雨の日の軒丸瓦

このシーンも薬師寺から唐招提寺へ向かう参道途中の冠木門付近の軒瓦を撮影。雨の反射が美しい。撮影機材は、LeicaMMonochrom(Typ246)+Elmarit-C 40mm f/2.8。このレンズの80㎝まで寄れるところがお気に入りである。

雨の日の薬師寺から唐招提寺への参道

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雨の日の薬師寺から唐招提寺への参道

再びライカMモノクロームによる薬師寺シリーズへと戻り、エルマリートC40ミリレンズを試す。35ミリよりやや狭いこの画角は、こういった被写体にはちょうどいい。余分なものがスッキリと省かれる。エルマー35ミリレンズの写りと比較してみたい。撮影機材は、LeicaMMonochrom(Typ246)+Elmarit-C 40mm f/2.8。