薬師寺東塔の古材シリーズ、今回は巻斗(まきと)という部材。巻斗とは、肘木の上に用いる小さい斗(ます)のことをいう。斗は位置と形によって名がつけられている。柱上にあるものを、前回の記事に出てきた大斗(だいと),肘木上のものを巻斗(まきと),隅(すみ)肘木上にあって下がねじれた曲面となるものを鬼斗(おにと)という。薬師寺東塔の各層の大きな屋根を細かく支えている部材であり、とても大切なパーツであることを感じる。明治の修理の時のものであろうか、平仮名と漢数字で番号が割り当てられ、墨で書かれていた。撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Summicron 50mm f/2(沈胴タイプ)である。