古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

箸墓古墳と卑弥呼と倭迹々日百襲姫命

箸墓古墳の北側より撮影

箸墓古墳の北側に周って撮影したのが上の写真である。箸墓古墳は卑弥呼の墓であるという仮説が最近はよく言われるようになったが、確証があるわけではない。治定されている倭迹々日百襲姫命が、巫女的な存在であり、時期的にも箸墓古墳の築造時期と重なるので、卑弥呼と比定されているだけである。

JR巻向駅周辺には纒向遺跡があり、この遺跡の南側部分に位置する扇状地上に形成された全長約280mの前方後円墳が箸墓古墳である。この古墳からの出土品には、布留1式期(4世紀初め)と現存最古の木製輪鐙(わあぶみ)をはじめとして、土器や木製品、墳丘上において宮内庁によって採集された遺物などがある。纒向遺跡の発掘や研究が進み、現在は桜井市のこの辺りが、邪馬台国の候補地となっている。邪馬台国の女王は卑弥呼であり、鬼道政治を行っていたとされる。

不思議なのは、卑弥呼の名は魏志倭人伝(『魏書』烏丸鮮卑東夷伝倭人条)に見られるものの、古事記や日本書紀には見られない。卑弥呼とは果たして実在の人物なのであろうか。倭迹々日百襲姫命=卑弥呼と決定づけるような今後の考古学的な研究成果に期待したい。以下参考記事のリンクを載せておく。

www.makimukugaku.jp

撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Summaron 35mm f/3.5(M)

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