古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

甘樫丘に置かれた万葉歌碑

f:id:hasselblaphoto19:20220104004334j:plain

甘樫丘に置かれた万葉歌碑

甘樫丘の中腹に置かれた万葉歌碑。詠み手の志貴皇子は天智天皇の皇子であった。万葉集には、志貴皇子の歌が6首載せられている。そのうちの一つがこの歌碑のもので、「采女の袖吹きかへす明日香風 京都(みやこ)を遠み いたづらに吹く」と刻まれている。和歌の意は「采女の袖を吹き返した明日香風は、都が遠のいたので、今はただむなしく吹いている」というものである。万葉集「巻一」にあるこの歌は、飛鳥浄御原宮から藤原京への遷都の後に詠まれたとされる。遷都後の寂しさが漂う名歌であると思う。揮毫者は万葉集研究に生涯をささげた犬養孝氏である。撮影機材は、LeicaMMonochrom(Typ246)+Summilux 35mm f/1.4(2nd)である。

人気ブログランキング