古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

藤ノ木古墳と法隆寺

藤ノ木古墳と法隆寺

奈良県の斑鳩町にある藤ノ木古墳。この古墳は法隆寺から歩いてすぐのところにある。今はすっかり整備されて写真のようにベンチがあり公園のようになっているが、1980年代に発掘される前までは、この古墳は果樹園のようになっていた。その後、この円墳には立派な石室があり、中には朱色の石棺が残され、しかも未盗掘であることが判明して、日本中の注目を浴び、本格的な調査に入った。中でも興味を引くのは、この石棺には、二人の貴公子が埋葬されていて、慌てて埋葬されたような痕跡があることである。副葬品は当時の東アジアのものとしては随一といっても良い素晴らしい品々が残されている。

藤ノ木古墳の近くには斑鳩町文化財センターがあり、そこでは、発掘された時のままの状態の石棺のレプリカがあり、二人が並んで埋葬されているシーンが想像できるようになっている。頭には冠や髪飾り、足元には巨大な靴が納められている。それぞれ二対ずつ添えられているところがまた歴史の興味を誘うところである。果たして誰が葬られたのか?この古墳が法隆寺に近いところに造られていることから想像すると、上宮王家の誰かかもしれない。しかも二人いる。想像は膨らむばかりで何か画期的な手掛かりが見つかればと願うばかりである。

撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Summaron 35mm(M) f/3.5

人気ブログランキング