エンタシスの柱で有名な場所、それが法隆寺中門の巨大柱である。しかし、一方でギリシャのパルテノン神殿の影響を受けたエンタシスではないとする説もある。理由は、ギリシャ建築の影響で、法隆寺の柱ができているという証拠がないためだという。ただ、法隆寺の公式なHPでは、以下のような説明文を載せているので引用する。
西院伽藍の本来の入口となる中門は軒が深く覆いかぶさり、正面が四間二戸と入口が二つある形が特徴です。エンタシスの柱や上層には金堂と同じ卍崩しと人字型の割束を配した高欄を備え、壮麗な飛鳥時代の様式を今に伝えています。(飛鳥時代 国宝)
法隆寺自身がエンタシスの柱と表現しているので、この考えを採用したい。確かにじっと中門の柱をそれぞれ眺めていると柱の中央部に膨らみを持たせたものが多い。この傾向は法隆寺を囲む回廊などにはあまり見られない。床の石畳とともに、この中門付近の空間は個人的にとてもお気に入りである。
撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+NOKTON classic 40mm f/1.4(SC)である。