古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

郡山城跡の盆梅展(その6)

郡山城跡の盆梅展(その6)

盆梅展シリーズ最後の一枚。やはり背景は障子の光が似合うと思う。梅は古都奈良の人々が愛した花であり、現在のように桜が日本の花の代表のように言われるようになったのは、古今和歌集で桜が多くテーマになった平安時代からである。

令和の語源として有名になった大伴旅人の万葉集の作品「梅花の宴」にも梅が詠われている。場所は九州の大宰府の旅人邸ということで、中国から入ってきた梅は、奈良時代に日本の各地で鑑賞されはじめたと想像できる。万葉集の中では、梅は「萩」に次いで多く歌われた植物である。

古都の先人たちの美の意識の中には、やはり梅の存在が大きいと感じる。丁寧に剪定しその美しい咲き方まで計算された盆梅には、そういった奈良の人々に息づく美的感覚が備わっていると観賞していて感じたことである。

撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Leitz Xenon 50mm f/1.5

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