本当に大きなフードである。最近手に入れた戦前のLeitz Summitar 50mm f/2レンズには、以前からこの巨大な箱のようなフードが用意されていることを知っていたが、「SOOPD」と呼ばれる専用の折り畳み式レンズフードをいざ装着するとやや邪魔に感じるくらいの大きさである。似たような折り畳み式フードにクセノン用「XIOOM」もあるが、こちらはレアでかつ高額であり、なかなか手に入らない。Summitar 50mmレンズは数多く造られたこともあり、様々なバリエーションがある。後半のSummitar 50mmレンズにはコーティングがされていて、フードも後半のものには、Summicron 50mm f/2と同じ「ITDOO」フードが使えるものもある。
今回フィルムでは、スクリューマウントレンズが使えるCanon 7で撮影、デジタルでは、LMM(Typ246)に付けて法起寺や法輪寺を撮ってみた。ノンコーティングではあるが、想像していたより、写りが良くて驚いている。今はほぼ5万円前後で買える最もコスパの良いライカの標準レンズである。デジタルではf/2の明るさがあれば充分である。同じ戦前のノンコーティングレンズである、Sonnar 50mm f/2の収差の多い柔らかいほわっとした描写に比べるとしっかりとした描写のできるレンズである。また三枚目の写真のように松の木の背後のボケ味も悪くないと思う。
大き過ぎる「SOOPD」フードとSummitar 50mm f/2レンズ。この組み合わせは無骨であるが、理にかなっていると写真家の加納満さんはツイッターでつぶやかれていた。撮影してみてそのことを実感するが、フードの装着のしにくさやアンバランスなスタイル故に、Summitar 50mm f/2レンズを避けるケースも少なくないのではと想像する。いいレンズなのだが。
ハレ切りはレンズ面から離れた場所に大きく作る方が効果は大きい。このフードの設計者はそのことをよく知っている。それは評価するとして、するとして・・・でもね〜ってなりますねw pic.twitter.com/jm8E9HCaov
— 加納満 Kano Mitsuru (@nokton3514) 2023年3月13日