古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

新薬師寺について

奈良時代、聖武天皇の后である光明皇后は春日山中に香山堂(こうぜんどう、または香山寺)という山林寺院を建てていたが、その後それを山麓の平地伽藍へと発展させ、七仏薬師像を本尊とする新薬師寺(香山薬師寺・香薬寺)を創建した。当初の新薬師寺は壮大な寺院だったようである。七体の薬師如来を安置するため、浄瑠璃寺の九体阿弥陀堂のイメージのように、新薬師寺金堂は横長の建造物であったようである。この金堂は十二神将像で知られる現在の新薬師寺本堂ではなく、現在の本堂はその当時「食堂(じきどう)」と呼ばれた建造物が使われている。当時は、聖武天皇が東大寺を建立中の時代であり、南北で巨大なプロジェクトが同時進行で進められ、古都平城京に想像を超えた空間を現出していたと考えられる。その新薬師寺の裏には、入江泰吉記念奈良市写真美術館がありとても落ち着いた雰囲気の中にこの寺院が今も残されている。写真は、新薬師寺本堂の前で、Hasselbrad 503CX + Planar 80mm f/2.8(C) + Proxar1.0にて撮影。ハッセルブラッドのアクセサリーの一つであるプロクサーは、被写体に近づいて撮るのに大変便利で、画質を落とすことなくスムーズに撮影できる。Proxar1.0は 55.8-107cmまで寄ることができる。Proxar0.5などを重ねて付けるとさらに被写体に寄ることができるようである。

新薬師寺

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東大寺境内のシダの葉

東大寺境内には、実に様々な植物が生息している。長い間保存されてきた地区だけに、樹齢何百年という木々も少なくない。僕がとても気になったのが、写真にあるシダの葉の群生。緑色の美しさも良かったのだが、モノクロームフィルムで撮るとさらに色情報が抜け落ちて脳の印象そのままに写る。僕は豊かな階調を表現できるイルフォード社のDELTA 400フィルムを好んで撮影に使っている。撮影機材は、Hasselbrad 503CX+Distagon 60mm f3.5(c)レンズ。グッと被写体に寄れるのもこのレンズのいいところ。次はもっと工夫して撮影したい。

東大寺境内

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古都の名残を求めて

最近夢中になっているカメラは「ハッセルブラッド」。中古で手に入れたフィルムカメラはハッセルブラッド社の「503CX」。ブローニーフィルムをマガジンに詰め、奈良を中心に撮影をしている。古都藤原京、平城京の名残を求めて撮影をしていくつもりである。被写体を探す時間、これに力を注ぎたい。下の写真は本薬師寺(藤原京時代の薬師寺跡)で撮った写真である。レンズはプラナー80㎜のCレンズ。点在する寺院の礎石には哀愁が漂い、古都の名残を感じさせる。

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ハッセルブラッド503CX+Distagon 60mm f/3.5(C)