古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

斑鳩と謎の貴公子達:藤ノ木古墳と斑鳩宮

藤ノ木古墳と斑鳩に眠る貴公子たち

2025(令和7)年は、藤ノ木古墳の発掘調査が行われてから40周年を迎える。かつてここは果樹園だったという。何でもない少し大きめの円墳にとてつもない大発見があった。それが有名な大型横穴式石室と未盗掘の石棺であった。この石棺の中身は当時としては大変貴重なものばかりで、大陸からの影響が伺える。

中でも興味深いのが、黄金の鞍金具に施された透かし彫りの意匠で、象が彫られていることである。象への信仰はタイなどの東南アジアの影響を感じる。その他、鳳凰、龍、兎、パルメット文なども彫られている。シルクロードからの影響も感じられる。

藤ノ木古墳から見つかった家形石棺からは、二体の男性の骨が見つかっている。特に背骨部分は形が崩れずにきれいに残っている部分がある。この二体の男性は、急いで葬られた痕跡があり、誰なのかを推察する様々な説が展開されている。著名なものには、穴穂部皇子と彼と親しかった宅部皇子ではないかというものである。

穴穂部皇子は用明天皇崩御のあとに、物部守屋が大王に立てようとした人物である。しかし、実際は推古天皇が即位することとなり、権力闘争の最中、蘇我馬子の命で宅部皇子とともに当時殺害された。こういた歴史的背景から、この二人が候補に挙がっている。しかし、研究者の間では、穴穂部皇子も宅部皇子も斑鳩とはほとんど縁のない人物であることから、この二人ではなく、斑鳩の地に関係の深い人物ではないかと考えられている。私見ではあるが、時代は少しズレるが、蘇我入鹿に襲撃されて命を絶った上宮王家の中の二人ということも考えられる。これからの研究が楽しみである。

撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Leitz Summar 50mm f/2

以下に紹介する書籍は、藤ノ木古墳を知るうえでよく分かる内容である。この本を読んだ後は、斑鳩という土地の持つ歴史の奥深さと斑鳩宮がどんなものだったのかを知ることができます。

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