古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

薬師寺の鬼追式(その1)

薬師寺では、毎年3月末に一週間に渡って花会式が行われる。東大寺のお水取り(修二会)の薬師寺バージョンの修二会であり、その花会式の最終日にあたる3月31日に、法要の結願を飾るのが『鬼追式(おにおいしき)』である。

午後8時半になると5匹の鬼たちが中門の前に整列し、松明を振りかざしながら舞台へと移動してくる。その後松明を振り回しながら大暴れする。今回の撮影機材はいつものLeica M Monochrom(Typ246)とSummilux 50ミリ f/1.4(2nd)を使用した。境内ではフラッシュを焚くことを禁じている。暴れる鬼を演じている人の目に眩しい光が入ると視界が閉ざされ大変危険だからである。こういった状況では、ISO感度の高くして撮影するのがベストである。鬼追式が始まってからは、LMM(Typ246)カメラのISOを10000に設定したままずっと撮影した。

薬師寺の鬼追式(その1)

多くのカメラを持った人たちが最前列を陣取っていたため、撮影した写真をトリミングしている。レンジファインダーカメラで、距離計を合わせながら鬼の姿を追うのは大変であったが、何枚かしっかり捉えることができた。鬼はこの松明を地面に叩きつけたり、フェンスに打ちつけたり、振り回したりと暴れまわって拝観者のいるところへ巡回してくる。火の粉が散るので、服に付くと穴が開いてしまうので注意が必要。この鬼を僧侶や咒師(しゅし)が捕まえて、その動きを鎮めていた。花会式からずっとこの一連の流れを見ることは、自分の心を悔い改める意味でも大変意義が大きいと感じた。

迫りくる鬼たち(薬師寺鬼追式)

拝観者に迫りくる鬼の様子。間近に迫ってくる鬼は迫力があるし、少々怖さも感じる。金堂前で松明を持ち激しく暴れまわる鬼を薬師如来のお力を受けた毘沙門天が鎮めるというのがこの鬼追式の形である。

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