古都の名残を求めて

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古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

ライカのレンズの好みが「変わった」

今週のお題が「変わった」となっていたので、久々にライカのレンズに関する記事を書いてみる。

ライカのレンズ沼は恐ろしいものである。ライカのレンズの悪いところ(笑)は、色々なレンズを一つのカメラで試してみたくなるところである。好奇心が止まらないという感じで厄介である。また、どのレンズも個性的であり、その描写は特筆すべきものが多い。しかも最近はライカのレンズ価格の高騰という厄介な要素が絡んできていて大変悩ましい問題となりつつある。

最近ライカのレンズの好みが変わってきた。今まで僕はライカのレンズは、50ミリのズミクロンこそは最強と思っていた(ここでは初代沈胴ズミクロンを除く固定鏡胴のズミクロンを指している)が、最近ではそう思わなくなってきている。ズミクロンよりズミルックスという具合に変化してきている。最近のお気に入りのレンズは、Summilux 50mm f/1.4レンズのセカンドバージョンである。所有のレンズは初期型の形をした白鏡胴のセカンドタイプである。

セカンドバージョン白鏡胴レンズの製造番号は「1,844,001~2,309,500」となっていて途中で黒鏡胴へと変化している。僕が所有しているレンズは1845×××であるので、セカンドバージョンの初期のものである。製造番号1,844,001より前の初期型と比較すると鏡胴の長さに微妙な違いがあり、レンズ構成も全く違う。

薬師寺花会式における冠木門の提灯

先日、Summilux 50mm f/1.4レンズで薬師寺の花会式を撮影してきた。午後18時を過ぎた段階での撮影だったが、提灯の明かりに滲みもなく、いいレンズだと感じた写真である。辺りは暗くなっていたが、絞り開放の写りは素晴らしい。このレンズの初期型ももちろん評判のいいレンズであるが、より現代レンズに近くなっているセカンドバージョンが好きになってきている。

薬師寺花会式における献灯(薬師寺東塔前)

薬師寺花会式における献灯の様子を撮影したものである。この写真でも収差はよく抑えられていて、献灯の明かりをしっかりと捉えていると思う。カメラはLMM(Typ246)で、ISOは2500とした。ストロボを焚かなくても暗所でもこのカメラはうまく撮影ができる。

薬師寺花会式の様子

19時から始まる薬師寺の花会式。東大寺の修二会(お水取り)は全国的によく知られているが、薬師寺の花会式はあまり知られていないと思う。東大寺が二週間に渡って修二会が行われるのとは違い、薬師寺の花会式は三月末の一週間である。薬師寺版修二会にあたるのがこの花会式である。中央に薬師三尊像が見えていて、光に照らし出されている。奈良県民にとっては、この花会式は重要な行事の一つである。自らを悔い改め、懺悔する場所でもある。薬師寺の公式HPでは、

出仕する僧侶は10人で、練行衆(れんぎょうしゅう)と呼びます。3月25日から3月31日まで1日6回の悔過法要を一・七(いちしち)日間勤めます。 意識無意識に犯している悪業あくごう(過ち)を国民に代わって懴悔し、国家繁栄・万民豊楽・天下泰平・風雨順次・五穀豊穣・病気平癒を薬師三尊様に祈願します。

と説明している。三枚目の写真のISO感度は5000である。

薬師寺の鬼追い式の様子

最後の写真は、3月31日に花会式の後に行われる鬼追式の様子である。この写真の撮影時のISOは10000に設定した。ただし、ノイズが相当目立っている。鬼追式では、鬼の動きが激しくレンジファインダーカメラでは正直追い切れていない。Summilux 50mm f/1.4レンズの絞りはもちろんf/1.4の開放値であり、このレンズだからこそ、ライトアップや炎の光によるハレーションも起こらず何とか撮影できている。これが例えばクセノン50mmレンズだと余計な光を拾ってしまい、ハレーションが起きてしまう。このレンズのきれいなアンバーコーティングの恩恵だと思う。またさらにSummilux 50mm f/1.4レンズの描写を試していきたいと思う。

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