はてなブログの今週のお題「お花見」に関する記事を書いてみる。写真は一見天守閣かと思ってしまいそうな佇まいの郡山城跡の櫓。三月末に桜を見に大和郡山市の郡山城跡を訪れた時に撮影した。呼び名は「追手向櫓(おおてむかいやぐら)」といい、追手門を守るために建てられた。1873年(明治6年)に破却されたが、1987年(昭和62年)に復元されたという。櫓と桜。時代小説に出てきそうなワンシーンにしばし目を奪われた。そろそろ桜は散り、青葉が出てきている季節になりつつある。何となく儚い気持ちになるのが、日本人の心というか、古今和歌集の世界なのかもしれない。
今年より 春知りそむる 桜花 散るといふことは ならはざらなむ
(巻一の49)
紀貫之の作品であり、「今年はじめて花をつける桜の若木よ。どうか咲くことだけを覚えて、散ることなどは覚えないでほしい。」という意味の和歌である。いつまでも美しく咲いていてほしい、そう思える郡山城跡のお花見であった。和歌の訳については、以下の書籍を参考に引用した。
撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Leitz Summilux 50mm f/1.4(2nd:白鏡胴)