古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

逆光に大変弱いSummaron 35mm f/3.5レンズ

興福寺東金堂を見上げたシーン(レタッチ前)

写真は興福寺東金堂を見上げたシーンである。撮影機材は、カメラがライカMモノクローム(Typ246)で、レンズがオールドレンズの代表格であるライカのズマロン35ミリf/3.5レンズである。撮影時にフードを付けて、やや逆光になるシーンで撮ったものだが、フレアが起こっていて、写真が真っ白に近くなっている。斜めから入り込む太陽光がここまでフレアを起こすとは思ってもみなかった。僕が所有のズマロン35ミリレンズはM型の後期型で曇りは見られない。少しブルーのコーティングがみられるものである。ズマロンはガラスの硝材の関係か曇っているレンズが多く、逆光に弱いと聞いていたが、実際に体験してみるとなかなかのものであった。以前の記事でカビ跡の多く残るズミクロン50ミリf/2レンズでの撮影を紹介したことがあったが、その時以上の激しいフレアだと感じた。

興福寺東金堂を見上げたシーン(レタッチ後)

何とか写真として見ることができるようにレタッチソフトで編集してみたのが、二枚目の写真である。それでも左手の太陽光が強く、抑えきれなかった。ただ、僕としては、ここまでレタッチするのはやり過ぎと感じるし、写真はできるだけ撮ったままの状態を尊重したいので、ここまで極端にレタッチする前にこの写真のようなケースはアップせずにボツにしている。

ライカのオールドレンズは、その柔らかさや写りの独特さが重宝され、最近では相当な高値で取引されているが、こういったフレアやゴーストが発生するケースが少なくなく、扱いが難しい面もある。私見ではあるが、シーンを選びながらフィルムで撮影するには向いていると思うが、LMM(Typ246)のような解像度が通常よりさらに増すような写りを実現できるカメラには、できるだけシャープに写る最新のライカレンズや、オールドレンズでもコーティング有りのビシッと写るものとの相性がいいと感じてしまう。ただ、そう分かってはいても、ライカのオールドレンズについては、色々なレンズをLMMで試してみたいという誘惑に駆られてしまう。これこそがライカレンズの沼にはまっていく理由なのかもしれない…。

撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Summaron 35mm f/3.5(M)

hasselphoto201909.hatenablog.jp

人気ブログランキング