行燈山古墳をその周濠のコーナーから撮影したシーン。濠に写り込んだ前方墳部分が美しい。右手には小さくカモたちが古墳へ向かって泳いでいくシーンも映っている。ズマロン35mmレンズは、ライカのレンズにあっては、ハイスピードレンズには属さず、オーソドックスな写りのレンズである。ただ前回の記事でも触れたようにモノクロームでは奥深い描写をすることがある。古墳を覆う木々の立体感、背景に聳える龍王山の遠近感。そして濠の水面の黒のトーンなど特徴的な写りを持っているレンズだと感じる。すっかり価格が高騰してしまったズマロンであるが、まだ現役のライカレンズに負けていないと思う。
撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Summaron 35mm f/3.5(M)