古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

櫛山古墳の造り出し

櫛山古墳の造り出し

櫛山古墳が築造された年代は4世紀後半(古墳時代前期後半)と考えられている。また、この古墳が興味深いのは前方部の半分もの大きさのある造り出しが存在することである。この大きな造り出しがあることから、櫛山古墳は双方中円墳ともよばれる。以下、この古墳に関する天理市観光協会のサイトからの引用である。

 全長約155m、後円部径約90m、後円部の高さ約17.5m、前方部幅約70m、前方部の高さ約10mの前方後円墳で、後円部の東側に造り出しを持つ古墳です。

 1948年~1949年、前方部東側の造り出しが発掘調査され、白い礫を敷き詰めた5×3.4mの長方形の土坑が検出されました。この土坑から多数の石製腕飾類や鉄製品などが出土したことから、この造り出しで、葬られた首長から新たな首長に首長権を譲る継承の儀式が行われたと考えられています。

 埋葬施設は後円部にあり、全長約7.1m、幅約1.4mの竪穴式石室です。石室内からは組合式の長持形石棺と見られる破片が出土しています。

と説明がされている。櫛山古墳のようなスタイルの造り出しがあるケースは珍しい。写真はその造り出し部分を撮影したもので、結構面積が広く、ちょっとした舞台のようであった。先人たちがここでどのように儀式を進めたのか、そのシーンを想像してみるのも僕にとっては楽しいひと時であった。

撮影機材:LeicaMMonochrom(Typ246)+Summaron 35mm f/3.5(M)

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