古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

法隆寺金堂の基壇(レンズの味編)

Summilux 35mm f/1.4(2nd)で法隆寺金堂の基壇を撮影

何度か被写体にしている法隆寺金堂と五重塔の基壇。版築という工法で造られた独特な二重基壇が古都の名残を感じさせてくれる。何の変哲もない被写体ではあるが、モノクローム写真にすると、細かな砂状の基壇のディテールや時々含まれている大きめの石、さらには黒ずんだ基壇も混じっている様子が見て取れてその経年変化が面白い。特に黒ずんだ部分は、金堂の場合はもしかしたら1949年の壁画の焼損時に着いた痕跡かもしれないし、違うかもしれない。

1300年以上の歴史が刻まれていると僕が考えるこの基壇は、その経年変化が織りなす意匠ももちろんであるが、レンズの周辺減光の違いを見るのにも役に立つ。一枚目はSummilux 35mm f/1.4(2nd)タイプのレンズで撮影した。モノトーンが美しくレタッチの必要性もほとんどない。やはり優れたレンズだと改めて感じる。

NOKTON classic 40mm f/1.4レンズ法隆寺五重塔の基壇を撮影

あまり比較にはならないかもしれないが、法隆寺五重塔を別の日に撮影した時の写真が二枚目である。この時はNOKTON classic 40mm f/1.4レンズを使用している。周辺減光はあるものの、ズミルックス35ミリレンズほどではないように思う。レンズの味という部分で見ると、ズミルックス35ミリレンズの方がディテールが柔らかく、白と黒の階調の幅が豊かなレンズと感じる。一方で、NOKTON classic 40mm f/1.4レンズは70cmまで寄れるという利点があり、ディテールが結構細かいところまで表現できるレンズだと思う。

最近、写真家のセイケトミオさんのレンズに関する記事「【特別版】 写真家:セイケトミオ 『私のライカレンズ元年』」がMap Cameraのサイトに掲載されていた。以前「CAMERA MAGAZINE」で読んだことのある記事のリニューアル版というか、最新版といった内容で興味深い記事であった。写真の作例も最新のもので見入ってしまった。その中にズミルックス35ミリレンズ(2nd)に関する記述もあった。

news.mapcamera.com

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