斑鳩の里にある法起寺は、一面田畑である。三重塔の美しいシルエットが遠くからはっきりと望むことができる。奈良の写真家であった故入江泰吉さんは、写真集『法隆寺』の中で、法起寺の情景を秋の芒とともに美しく描いている。入江さんの撮影した時代の素朴な風景そのままとはいかないが、何かここへくると、コロナ禍やウクライナで起こっている戦争という重たいニュースで荒んだ気持ちをしばし落ち着けることができる。撮影機材は久々に持ち出したレンズは、LeitzのElmarit-C 40mm f/2.8、使用カメラはモノクローム専用のLeicaMMonochrom(Typ246)である。
