大官大寺跡から歩いて約10分ほどのところに紀寺跡がある。ここには、万葉歌碑が置かれている。「いにしへの 事は知らぬを われ見ても 久しくなりぬ 天の香具山」という和歌が刻まれている。揮毫者は東大寺長老の清水公照となっている。歌の意は「大昔のことは知らないけれど、私が朝夕、あの香具山を見るようになってから、もう随分と時が経っている」というもの。作者は不詳。万葉集の巻七に収められている。この場所からは香具山を間近に望むことができるので、この歌の真意がよく分かる。何か神聖な気持ちになる和歌である。撮影機材は、Leica MMonochrom(Typ246)+Leica Summicron 50mm f/2(4th)である。