古都の名残を求めて

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古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

本薬師寺西塔跡の心礎

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本薬師寺西塔跡の心礎

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本薬師寺東塔跡の心礎

一枚目の写真は本薬師寺の西塔跡の心礎である。本来なら本薬師寺東塔跡の心礎(3孔式)のように、中央に大きな円形の穴が開いていてもいいはずだが、この心礎は出ほぞ式である。東西の塔の心礎の形が違うのは不思議である。そこで、この西塔の心礎は後の時代にここへ持ってきたという説もある。東塔跡と石の種類も違っている。

明治期以来続く「薬師寺論争」のテーマは大きく二つ存在する。建造物の移建と仏像(薬師三尊像)の移座であるが、西ノ京薬師寺の東塔は本薬師寺から移建されたのかそれとも新たに建立されたものか、薬師三尊像についても移座されたのか新しく造られたのかという問題である。最近の研究では、西ノ京薬師寺の東塔は新しく奈良時代に建立された、薬師三尊像は移されたものではないかということである。どちらの説でも歴史にロマンを感じてしまう。撮影機材は、LeicaMMonochrom(Typ246)+Summilux 35mm f/1.4(2nd)である。

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