古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

雨の薬師寺中門と階調表現

雨の日に撮影した薬師寺中門。石階段が夕刻の淡い光に反射して美しく見えた。奥には南門が写っている。500pxにこの写真を投稿して、あるフォトグラファーにコメントをいただいて気付いたのであるが、石階段の白黒の階調が少しずつ変わってきていることが分かる。門をまたぐ部分には雨滴が落ちていないので、乾いた石畳である。しかし手前に来るほど、雨で濡れている部分が増えてきて、グレーの階調が高くなっている。このグレーの微妙な範囲を細かく表現できるのが、ライカMモノクロームというカメラなのだと認識できた。印画紙に手焼きする場合を考えると、まずは0号フィルターで少し焼いて、後から5号フィルターで焼く感じに似ている。手前の石階段の黒は、5号フィルターでさらに焼き込みした感じである。その黒も潰れていない。ライカMモノクローム、これは凄いカメラである。撮影機材は、ライカMモノクローム+Summicron 50mm f/2(2nd)。