古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

薬師寺東塔と解体修理について

本薬師寺跡の記事の関連で、今回は薬師寺東塔についてである。先日,国宝・薬師寺東塔(奈良時代)を覆っていた素屋根の撤去作業が進められ、解体修理を終えつつある薬師寺東塔の美しい姿が公開された。また一部覆われるところも出てくるようであるが、僕にとっては待ちに待った東塔の姿だった。薬師寺東塔の解体修理は、明治時代の1898~1900年以来で、前回の修理から約110年ぶりのものとなっている。今回の解体修理は2009年(平成21年)に始まり、2012年(平成24年)に一度解体修理の工事の様子が一般公開されており、僕はこのとき興味があったので見学に行ってきた。下の写真がその時の記録である。まだ心柱を継ぎ足す前の時期の写真である。当時「500px」という写真投稿サイトにアップしていた。

その後、今年の4月末からゴールデンウィークにかけて解体修理現場が一般公開され、こちらにも行ってきた。この「東塔」は薬師寺の建築物としては最も古い天平2年(730年)頃に建立されたとされる築1300年の建造物である。塔の構成は三つの裳階があるため六重塔に見えるが、実際は三重塔である。興福寺の三重塔と違って裳階がある分メリハリの利いたデザインになっていて、再建された薬師寺西塔とともにツインタワーとしての美しさも堪能できる。2020年(令和2年)、いよいよ「国宝薬師寺東塔 大修理 落慶法要」が4月22日から執り行われる。とても楽しみにしている。二枚目の写真は5月初旬に撮影した解体修理現場の様子で、ハッセルブラッド503CXとPlanar 80mm f/2.8レンズの組み合わせで撮影した。修理現場の最上階から新調された屋根瓦を見下ろしたシーンである。

薬師寺東塔の解体修理現場