古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

薬師寺

雨の薬師寺境内外壁

雨の薬師寺境内外壁 薬師寺から唐招提寺へ向かう参道の途中に冠木門があり、その近くに歴史ある土壁が長い距離にわたって続き、古都らしい何ともいえない趣がある。経年変化が激しいため、もしかしたらこの一連の土壁はいずれ補修されてしまうかもしれない。…

薬師寺南門にて

薬師寺南門にて撮影 薬師寺南門は、この寺院の境内への入口といえる大きな門である。ここをくぐると薬師寺金堂と西塔、東塔が見えてくる。この寺院の伽藍形式をはっきりと認識できる場所である。その扉の木の質感と背景には几帳を入れて撮影。ライカの定番レ…

静謐

薬師寺龍王社にて撮影。モノクローム写真にすることで、その静謐さがよく伝わってくる。龍王社は薬師寺東院堂の隣にひっそりと佇む小さな社である。天武天皇の皇子の一人であり、謀反の疑いを掛けられて自害することになった悲劇の皇子である「大津皇子」の…

今週のお題「住みたい場所」

今週のお題「住みたい場所」。僕にとってはもちろん古都の名残を感じることができる奈良がいい。平城京を中心とした地域ももちろんだが、飛鳥時代の遺跡が残る明日香村や恭仁京のあとの残る京都府の南山城地方も魅力的である。 写真は薬師寺境内の蓮である。…

薬師寺は駅近な世界遺産

駅近な世界遺産である薬師寺 薬師寺はおそらく世界で最も駅近な世界遺産といわれる。近鉄西ノ京駅から歩いてすぐに薬師寺の與樂門に着けるので、一度来られた方は実感できると思う。写真は、薬師寺西塔と近鉄電車が来るタイミングを見計らって撮ったものであ…

薬師寺龍蔵院のお地蔵様たち

薬師寺龍蔵院のお地蔵様たち 薬師寺龍蔵院には、多くの方々の墓が存在する。寺院そのものは小さいが、墓所の敷地は広いところである。境内に入ってすぐのところにこのお地蔵様たちが見えてくる。これだけ整然と並んでいるとモノクローム写真にすると迫力が出…

薬師寺龍蔵院にて

薬師寺龍蔵院にて撮影 薬師寺龍蔵院は近鉄西ノ京駅の北西側、細い道伝いに住宅街を通り抜けるとやがて到着する。ただ、普通の住宅街の中にあり、地図でしっかり探して行かないと大変分かりづらい場所にあり迷ってしまう。薬師寺の境内から離れたところにある…

薬師寺境内の龍王社

薬師寺の境内には、主に四つの社が存在する。弁財天社、若宮社、平木大明神社、そして龍王社である。いずれも寺院の中に神を祀る社が存在することから、神仏習合の証といえる。奈良時代から徐々に浸透した神仏習合の流れは、平安時代以降定着し、本地垂迹説…

薬師寺の蓮とロータスロード

薬師寺の蓮の葉 毎年、蓮の花が咲く季節になると、西大寺・喜光寺・唐招提寺・薬師寺で「奈良・西ノ京ロータスロード〜蓮と歴史を楽しむ旅〜」が開催されてきた。 先日のこの記事が昨年度の引用をしてしまい、間違った内容をお伝えしていたことをお詫びいた…

経年変化した白壁の魅力(薬師寺)

エルマリートC40㎜ f2.8で撮影した薬師寺大門横の白壁 エルマー35㎜ f3.5で撮影した東大寺付近の白壁 薬師寺大門につながる白壁は経年変化のため、大変歴史を感じさせる土壁になっている。薬師寺から唐招提寺へ向かう参道沿いの白壁の風情も好みだが、こちら…

秋篠川から望む薬師寺のツインタワー

秋篠川から望む薬師寺の東塔と西塔 薬師寺から唐招提寺へ向かい、南大門を過ぎてさらに東へ進むと秋篠川に出る。この川は、あまり大きな川ではないが、奈良市内の大渕池を源流に大和郡山市へと流れ、佐保川に合流している。秋篠川から薬師寺の方へ目を向ける…

雨の薬師寺中門と階調表現

雨の日に撮影した薬師寺中門。石階段が夕刻の淡い光に反射して美しく見えた。奥には南門が写っている。500pxにこの写真を投稿して、あるフォトグラファーにコメントをいただいて気付いたのであるが、石階段の白黒の階調が少しずつ変わってきていることが分か…

薬師寺東院堂前のおみくじ

薬師寺東院堂は、以前このブログで紹介したことがある。ここではおみくじを引くことができる。そのおみくじを結ぶ習慣が日本にはある。少し調べてみたら、以下のサイトに答えがあった。太宰府天満宮の神職さんからの回答を引用する。 特に決まりはございませ…

ガラスへの映り込みとモノクローム写真

ガラス戸への映り込み ライカMモノクロームを導入して一か月が過ぎた。このカメラの扱いには少し慣れてきた。ただ、適正な露出で写真を撮ることがまだまだできていないと自分では感じている。量をもっと撮らないと感覚がつかめてこないと思っている。最近は…

薬師寺東塔南側の側面

薬師寺東塔は「三重塔」である。しかし、どうみても六重塔に見える。例えば興福寺の三重塔は、まさに見たままの屋根が三つの三重の塔である。この稀に見る巨大な三重塔は三つの裳階を加えることで、より美しく見えるよう考えられている。古代の人々は、いっ…

薬師三尊像のうち薬師如来像

薬師寺金堂には、薬師三尊像が鎮座する。三つの著名な仏様のうち、今回の写真に載っているのは、中央の薬師如来像である。その巨体からしても御利益のありそうな仏様である。写真が外からしか撮れないので、薄っすらとしか仏様の顔が拝めない。 薬師寺の僧た…

薬師寺東院堂の基壇

薬師寺東院堂はもともとは奈良時代に建立された建造物で、後に鎌倉時代に再建され現在に至っている。以下、薬師寺の公式サイトからの引用である。 東院堂は、養老年間(717~724)に長屋王の正妃である吉備内親王が母の元明天皇の冥福を祈り建立しました。 …

薬師寺勧進所のガラス戸

新型コロナウィルスの感染予防措置の一環として、薬師寺の名物といってもいい法話が現在中止になっていることが多い。薬師寺のお坊さんたちは、話術に優れ、この法話を何度か聞いたことがあるが、大変面白い。法話の日程など詳しくは薬師寺さんへ直接問い合…

薬師寺に咲く白牡丹

薬師寺境内には、多くの春牡丹が4月~5月にかけて咲いている。春牡丹は一般的な品種で、春と秋に花をつける二季咲きの寒牡丹や冬牡丹(1月~2月に開花する)などの種類がある。著名な白居易の『長恨歌』で登場する楊貴妃は、玄宗皇帝の寵愛を受けたことで…

薬師寺金堂と雨の境内を歩く僧

夕刻の薬師寺。まもなく拝観時間が終わろうという時間帯だった。薬師寺の南門から入ってこられた傘をさしたお坊さんが、ゆっくりと今度は中門をくぐられ、薬師寺金堂へ向かって歩き始めた。とっさに後姿を追って撮影したのがこの写真。人との対比で金堂の大…

雨の日の薬師寺東側回廊

この日も雨であった。最近は梅雨でもないのに雨の日が多い。雨の日に美しいと思うのが、寺院の屋根瓦の仄白い反射光である。被写体は薬師寺東塔横の東側回廊の屋根である。長く美しく配列された屋根瓦が、雨に濡れて淡い光を放っていた。撮影機材は、ライカM…

薬師寺東院堂聖観音像

薬師寺境内にある東院堂は鎌倉時代の建造物である。再建された建造物の多い薬師寺の中にあっては、古都の名残を感じさせる建物である。僕はこの東院堂にいらっしゃる白鳳時代の傑作と言われる聖観音像にいつも感動を覚える。仏像の薄い衣の襞(ひだ)から足…

薬師寺西塔横にある桜の木

薬師寺境内にはツインタワーとなる、奈良時代から存在する歴史ある東塔と築約20年足らずの西塔がある。現在、薬師寺の東塔・西塔ともに初層特別開扉(令和3年3月1日~令和4年1月16日)が行われていて、塔の内部を見ることができる。写真はその西塔の横にある…

雨に濡れる山吹

薬師寺境内には、この季節になるとところどころに山吹が綺麗に咲いている。カラーなら鮮やかな山吹色を表現できるところだが、今回は撮影機材がライカMモノクロームなので、敢えてモノクロームの山吹を撮ってみた、雨に濡れる花のシーンはお気に入りのシチュ…

薬師寺講堂の木柱と金堂

写真は薬師寺講堂の木柱を前景に、遠景には金堂を配置したものである。この日は大雨のため背景の薬師寺金堂がやや霞んで見える。ライカのズミクロン50ミリは、僕が大変好きなレンズである。なかでもこの2ndタイプの写りはシャープでいいと評価されている。個…

雨の薬師寺境内にて

薬師寺の境内へは、近鉄西ノ京駅から歩いてすぐの與樂門をくぐると拝観できる。おそらく世界で最も駅に近い世界遺産だと思う。この日は大雨で、傘を片手に持ちつつ、ライカMモノクロームで、雫の落ちそうな瞬間を狙って撮ってみた。雨に濡れた木々や葉を写し…

薬師寺東塔の美しさ

写真は、薬師寺東院堂側からみた回廊越しの薬師寺東塔である。近くには大きな松の木もあるところである。薬師寺境内の建造物は、ほとんどが近年に再建されたもので、この東塔と東院堂のみが古都の名残を残した建造物といえる。東塔は730年の建立とされるので…

薬師寺東塔と一羽のカラス

薬師寺東塔から一羽のカラスが舞い降りてきた。ライカMモノクロームで東塔を撮影している時だった。三重塔のうち、第二層目の南向きの鬼瓦に止まっている一羽のカラスを確認し、面白いなと思って写真を数枚撮っていたところ、カラスが僕に気付いたのか、真っ…

薬師寺西塔の風鐸

写真は、薬師寺西塔の風鐸である。風鐸とは、寺の堂や塔の軒の四隅につり下げて飾りとする、鐘形の鈴のことである。当時の日本では、強い風は流行り病や邪気などの災いを運んでくると考えられていたようで、その音が聞こえる範囲は聖域とされ、災いを除くと…

閉門準備に入る薬師寺境内

ライカMモノクロームを使い始めてまだ日が浅い。薬師寺を中心に西ノ京の寺院を撮影しているが、設定の難しさを感じる。フィルム撮影の時と同じでいいネガをつくらないと、いくら0号や5号フィルタを駆使して手焼きをしてもいい写真にならないのと同様、ライ…