古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

薬師寺東院堂聖観音像

薬師寺境内にある東院堂は鎌倉時代の建造物である。再建された建造物の多い薬師寺の中にあっては、古都の名残を感じさせる建物である。僕はこの東院堂にいらっしゃる白鳳時代の傑作と言われる聖観音像にいつも感動を覚える。仏像の薄い衣の襞(ひだ)から足…

薬師寺西塔横にある桜の木

薬師寺境内にはツインタワーとなる、奈良時代から存在する歴史ある東塔と築約20年足らずの西塔がある。現在、薬師寺の東塔・西塔ともに初層特別開扉(令和3年3月1日~令和4年1月16日)が行われていて、塔の内部を見ることができる。写真はその西塔の横にある…

雨に濡れる山吹

薬師寺境内には、この季節になるとところどころに山吹が綺麗に咲いている。カラーなら鮮やかな山吹色を表現できるところだが、今回は撮影機材がライカMモノクロームなので、敢えてモノクロームの山吹を撮ってみた、雨に濡れる花のシーンはお気に入りのシチュ…

薬師寺講堂の木柱と金堂

写真は薬師寺講堂の木柱を前景に、遠景には金堂を配置したものである。この日は大雨のため背景の薬師寺金堂がやや霞んで見える。ライカのズミクロン50ミリは、僕が大変好きなレンズである。なかでもこの2ndタイプの写りはシャープでいいと評価されている。個…

雨の薬師寺境内にて

薬師寺の境内へは、近鉄西ノ京駅から歩いてすぐの與樂門をくぐると拝観できる。おそらく世界で最も駅に近い世界遺産だと思う。この日は大雨で、傘を片手に持ちつつ、ライカMモノクロームで、雫の落ちそうな瞬間を狙って撮ってみた。雨に濡れた木々や葉を写し…

薬師寺東塔の美しさ

写真は、薬師寺東院堂側からみた回廊越しの薬師寺東塔である。近くには大きな松の木もあるところである。薬師寺境内の建造物は、ほとんどが近年に再建されたもので、この東塔と東院堂のみが古都の名残を残した建造物といえる。東塔は730年の建立とされるので…

薬師寺東塔と一羽のカラス

薬師寺東塔から一羽のカラスが舞い降りてきた。ライカMモノクロームで東塔を撮影している時だった。三重塔のうち、第二層目の南向きの鬼瓦に止まっている一羽のカラスを確認し、面白いなと思って写真を数枚撮っていたところ、カラスが僕に気付いたのか、真っ…

薬師寺西塔の風鐸

写真は、薬師寺西塔の風鐸である。風鐸とは、寺の堂や塔の軒の四隅につり下げて飾りとする、鐘形の鈴のことである。当時の日本では、強い風は流行り病や邪気などの災いを運んでくると考えられていたようで、その音が聞こえる範囲は聖域とされ、災いを除くと…

閉門準備に入る薬師寺境内

ライカMモノクロームを使い始めてまだ日が浅い。薬師寺を中心に西ノ京の寺院を撮影しているが、設定の難しさを感じる。フィルム撮影の時と同じでいいネガをつくらないと、いくら0号や5号フィルタを駆使して手焼きをしてもいい写真にならないのと同様、ライ…

薬師寺東塔の裳階の美しさ

2009年に始まった、奈良時代建立の薬師寺東塔の大修理。現在はリニューアルを終え、一般公開されていて往時の姿を見ることができる。もともとは藤原京の本薬師寺にあった塔を運んできたという話もあるが、今も古都の名残を十分に感じることのできる貴重な三…

不運なレンズ、エルマリートC40mm

写真は、ライカM9にエルマリートC40㎜ F2.8を付けたものである。このレンズは製造経緯を辿ると実に不運なレンズで、当初から評価が低く、その後に実用化されたズミクロンC40mm F2にその地位を奪われてしまった。個人的には実際にこのレンズで撮影してみて、…

法隆寺回廊と窓の外の桜

写真は法隆寺中門に続く回廊から見た外の桜である。仄暗い回廊に連子窓を通して外からの日射しが差し込んでいる。背景の桜のボケ味もその光にアクセントを与えている。撮影機材は、ライカM9+Elmarit-C 40mm f/2.8である。 法隆寺回廊と外の桜

法隆寺五重塔の基壇と中門

法隆寺西院伽藍の五重塔の二重基壇を写しつつ、背景には法隆寺中門を入れてみた。基壇の文様はその側面により表情が違っていて興味深い被写体である。撮影機材は、ライカM9+Elmarit-C 40mm f/2.8である。このレンズのボケ味もなかなか良いのではと思ってい…

枯れ木の力強さ

奈良の写真家といえば故入江泰吉さんが著名である。4月3日(土)から入江泰吉記念奈良市写真美術館にて『聖徳太子1400年御遠忌記念 入江泰吉「法隆寺」展』が始まるので、僕自身大変楽しみにしている。入江泰吉さんが生前仰っていた言葉に「滅びの美」という…

法隆寺西円堂にて

法隆寺西円堂は西院境内北西の小高い丘の上に位置し、実際登ってみると大変見晴らしのいいところである。法隆寺の境内にあっては目立たない場所にある。建造物は夢殿と同じく八角円堂である。「峰の薬師」とよばれ、奈良時代の薬師如来坐像を本尊としている…