古都の名残を求めて

古都の名残を求めて

古都奈良の雰囲気の残る場所をフィルムやデジタルで記録したモノクローム写真のブログです。

観音池から望む薬師寺東塔

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観音池から望む薬師寺東塔

薬師寺南門から東へ進んでしばらくすると大きな池に出る。この池を観音池と呼ぶ。薬師寺境内まで結構距離があるため、薬師寺東塔はその頭の部分しか拝めない。しかし、手前の木々が、ちょうど東塔を隠しているようで幻想的ともいえる。薬師寺の遠景写真では、大池からのシーンがあまりに有名であるが、この観音池で一息ついての撮影もいいと思う。撮影機材は、ライカMモノクローム+Elmar 50mm f/3.5(L)ニッケルタイプ。

薬師寺境内南側の歴史ある外壁(続編)

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薬師寺境内南側の歴史ある外壁(その2)

薬師寺南門を出て東へ向かってしばらく歩くと秋篠川に出るが、そこに至るまでの行程で写真のような土壁の経年変化を見ることができる。長年の風雨による傷みもさることながら、この亀裂や土壁の剥がれは長い歴史を感じさせる。肉眼では気付かない細部も写真に記録することによりはっきりと確認できる。写真という記録媒体の持つ利点だと思う。撮影機材にはライカのズマロン35mmf/3.5レンズを使っているが、後期のコーティングありのレンズのため、描写がくっきりしていて鮮明である。編集ソフトですこしコントラストを調整しているが、ライカMモノクロームとの相性はいい。

薬師寺境内南側の歴史ある外壁

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薬師寺境内南側の歴史ある外壁

薬師寺南門を出てすぐにアスファルトの道路が東西に延びている。そこを東へ歩いていく道沿いには、写真のような歴史ある土壁が長く続いている。僕はこの道が好きで、ついつい土壁の色々な表情に見入ってしまう。ただのクラックも、経年変化により古都の名残のように感じるし、瓦の古さもまた味があると思う。こういった土壁をうまく保存しつつ、後世に残せたら奈良時代のかつて栄華を極めた南都七大寺の一つとしての価値もより高まっていくと感じる。撮影機材は、ライカMモノクローム+Summaron 35mm f/3.5。ズマロンの細やかな描写が土壁のディテールをよく表現してくれている。

雨の薬師寺境内外壁

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雨の薬師寺境内外壁

薬師寺から唐招提寺へ向かう参道の途中に冠木門があり、その近くに歴史ある土壁が長い距離にわたって続き、古都らしい何ともいえない趣がある。経年変化が激しいため、もしかしたらこの一連の土壁はいずれ補修されてしまうかもしれない。そういう思いが、薬師寺界隈の写真を撮りたいと思う動機である。個人的にはできればこの時期の薬師寺の写真を記録にとどめておきたいと感じる。

一方で東塔のようにリニューアルされる建造物もあり、薬師寺という寺院は大変時間空間が入り乱れ混在している場所でもある。新しい西塔や金堂、講堂があるかと思えば、南門付近の外壁は傷みが激しい。東院のような鎌倉期からのイメージをそのまま残している建造物もある。この興味深い、南都七大寺の一つである薬師寺を少しでも記録として残しておきたい。写真は外壁沿いの屋根瓦の一つである。雨の日に撮影。撮影機材は、ライカMモノクローム+Elmar 50mm f/3.5(L)ニッケルタイプ。

薬師寺南門にて

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薬師寺南門にて撮影

薬師寺南門は、この寺院の境内への入口といえる大きな門である。ここをくぐると薬師寺金堂と西塔、東塔が見えてくる。この寺院の伽藍形式をはっきりと認識できる場所である。その扉の木の質感と背景には几帳を入れて撮影。ライカの定番レンズで歴史も古い50㎜f/3.5レンズのボケ味が自分が思っていたよりきれいだと感じるシーン。木扉の木の厚みと経年変化を感じさせる木目や傷跡が興味深い。撮影機材は、ライカMモノクローム+Elmar 50mm f/3.5(L)ニッケルタイプ。

静謐

Tranquillity by Hiro .M on 500px.com

薬師寺龍王社にて撮影。モノクローム写真にすることで、その静謐さがよく伝わってくる。龍王社は薬師寺東院堂の隣にひっそりと佇む小さな社である。天武天皇の皇子の一人であり、謀反の疑いを掛けられて自害することになった悲劇の皇子である「大津皇子」の怨霊、「悪龍」となった皇子を鎮めるための「大津龍王宮」としても機能していたとも言われ、大津皇子の怨念を鎮めるために立てられたとされる説もある。神像である金色の「龍神像」は奈良国立博物館に所蔵されている。二上山とともにここは古代奈良の歴史を感じることができる由緒ある場所だと感じた。この写真は500pxにアップしている。撮影機材は、ライカMモノクローム+Elmar 50mm f/3.5(L)ニッケルタイプ。

Leica Elmar 50mm f/3.5レンズ

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ライカMモノクロームとエルマー50㎜f/3.5レンズ

ライカMモノクローム(Typ246)にエルマー50㎜レンズを付けてみた。シリアルナンバーを調べたら、1930年代のレンズと分かるニッケルタイプである。沈鏡胴のオーソドックスなレンズであり、写りはシャープで、柔らかさも備えている。ヘクトール50㎜レンズの独特な柔らかさとはまた違う。いい意味でライカMモノクロームと相性の合うレンズだと感じる。ライカMモノクロームにはあまりオールドレンズは合わないと感じるが、エルマー50mmレンズに関してはそうは思わない。しばらく使っていきたいと思うレンズである。また機会があればライカM4などのフィルムカメラでも撮影してみたい。

参考記事に写真家の高橋俊充さんのブログ記事がある。
www.takahashi-design.com

今週のお題「住みたい場所」

今週のお題「住みたい場所」。僕にとってはもちろん古都の名残を感じることができる奈良がいい。平城京を中心とした地域ももちろんだが、飛鳥時代の遺跡が残る明日香村や恭仁京のあとの残る京都府の南山城地方も魅力的である。

写真は薬師寺境内の蓮である。雨上がりに撮影した蓮の葉の水玉が印象的であった。「西大寺」「喜光寺」「唐招提寺」「薬師寺」をつなぐ道は「ロータスロード」と呼ばれ、この蓮はその企画の一端である。蓮の葉は朝早くが最も美しいが、なかなかその時間に行くことができないのも悩ましいところである。撮影機材は、ライカMモノクローム+Elmar 50mm f/3.5(L)ニッケルタイプである。

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雨上がりの薬師寺境内の蓮の葉

宅飲み(その9)

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日本酒は『どぶろく(篠峯)』とあてはだし巻きと薬師味噌、大和牛の時雨煮など

宅飲みは続く。日本酒は、奈良県御所市の千代酒造の『どぶろく(篠峯)』。飲んだのは火入れ酒。生酒と違い炭酸ガスは入っていない。原料米は山田錦。酒度は-20と旨口。飲みやすいため、ついつい食も進む。日本酒のいいところは安価で美味しく飲めるところ。あては、だし巻きに合鴨の醤油煮、大和牛の時雨煮。奥には薬師寺南門近くの寿吉屋で買った薬師味噌とかぼちゃのおひたし。どぶろくの甘さにあての辛味がとてもよく合う。最近ではワクチンの供給不足が心配。それでも今週もほろよい気分で週末を過ごす~。

薬師寺は駅近な世界遺産

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駅近な世界遺産である薬師寺

薬師寺はおそらく世界で最も駅近な世界遺産といわれる。近鉄西ノ京駅から歩いてすぐに薬師寺の與樂門に着けるので、一度来られた方は実感できると思う。写真は、薬師寺西塔と近鉄電車が来るタイミングを見計らって撮ったものである。この写真のように、薬師寺境内の外壁は近鉄電車の線路と隣り合わせの位置にある。古代と現代の技術の融合を見ているような斬新なイメージだと思う。撮影機材は、ライカMモノクローム+Summaron 35mm f/3.5。